進化科学
evolution
英語明治中期石川千代松
「進」(進む・発展する)と「化」(変化する・なる)を組み合わせた和製漢語。英語evolutionはラテン語evolvere(展開する・巻き物を広げる)に由来し、もとは「展開」を意味した。ダーウィンが生物の変化・発展過程を表す語として用い、「進化」はその方向性(進む)を字義に込めた訳語となっている。

1860–1935(75歳)
東京生まれの動物学者。1882年に東京大学理学部動物学科を卒業し、翌1883年に助教授となる。同年、1877年(明治10年)に来日して東京大学で進化論を講義したアメリカ人動物学者E・S・モースの記録をまとめた『動物進化論』を刊行し、日本で初めて進化論を体系的に紹介した。これが英語evolutionの訳語「進化」の普及に決定的な役割を果たした。
1885年からドイツのフライブルク大学にてヴァイスマンのもとで留学・研究し、1890年に帝国大学農科大学教授に就任。ウナギ・ホタルイカの発光機構・クジラの生殖発生など無脊椎動物の生態研究を精力的に進め、英文・独文論文50篇を発表した。1901年に理学博士、1924年に東京帝国大学名誉教授。
「進化」という訳語はその後中国・朝鮮にも逆輸出され、東アジア共通の科学語彙となった。1935年に台北で客死。晩年まで研究に取り組み続けた、日本の進化生物学の草分け的存在である。