翻訳語辞典Shaqai
← 分野一覧

科学

化学・物理・生物・医学など、西洋自然科学の受容のなかで整備された訳語の分野。

108

この分野の翻訳者

宇田川榕菴26西周7福沢諭吉1長与専斎1緒方洪庵1酒井忠恕1
科学科学
science
英語明治期
科(分類・種別)と学(学問)を組み合わせた造語。学問を分科して体系化するという意味を込めた。
物理科学
physics
英語幕末〜明治初期
物(もの・事物)と理(ことわり・道理・法則)を組み合わせた古典漢語。「物事の道理」を意味し、宋代朱子学の「格物致知」(物に格って知を致す)の思想にも通じる概念を転用した。
分析科学
analysis / Analyse
英語・ドイツ語明治期
分(わける・分割する)と析(割く・細かく分け裂く)を組み合わせた造語。析は木を割るさまを表す字で、合わせて「細かく分け分けて明らかにする」という意味を持つ。
法則科学
law / Gesetz
英語・ドイツ語明治期
法(規範・きまり・ルール)と則(のり・準拠すべき基準)を組み合わせた漢語。「守られるべき規範・準拠」という意味で、自然界の普遍的な規則性を表す語として定着した。
化学科学
chemistry
英語幕末・明治期
化(かわる・変化する・変容する)と学(まなぶ・学問)を組み合わせた漢語。「物質の変化を研究する学問」という字義で、物質の組成・性質・変化を科学的に扱う学問を表す。
生物科学
biology
英語明治期
生(いきる・いのち・生命を持つ)と物(もの・存在・実体)を組み合わせた漢語。「生きているもの・命あるもの」という字義で、生命を持つ存在(動物・植物・微生物など)全般を指す。
数学科学
mathematics
英語明治期
数(かず・数量・論理・ことわり)と学(まなぶ・学問)を組み合わせた漢語。「数量・論理を研究する学問」という字義を持ち、漢字の「数」には「論理・ことわり」という意味もある。
地理科学
geography
英語幕末・明治期
地(ち・大地・土地)と理(ことわり・道理・しくみ)を組み合わせた漢語。「大地のしくみと道理を研究すること」という字義で、地表の自然・人文的事象を扱う学問を指す。
医学科学
medicine
英語明治期
医(いやす・治療する・医師・医術)と学(まなぶ・学問)を組み合わせた漢語。「病を治す術と学問」という字義で、人体・疾病・治療を科学的に研究する学問を指す。
研究科学
research
英語明治期
研(とぐ・みがく・深く掘り下げる)と究(きわめる・突き詰める・奥深くまで探る)を組み合わせた漢語。「徹底的に磨き、究め尽くすこと」という字義で、事物の本質を深く探求する活動を表す。
衛生科学
hygiene
英語・ドイツ語明治初期長与専斎
衛(まもる・護る)と生(いのち・生命)を組み合わせた漢語。「生命を守る・健康を護る」という字義で、荘子「庚桑楚篇」の「衛生の経(生を養うの道)」に由来する。英語hygieneはギリシャ神話の健康の女神ヒュギエイアに由来する。
定数科学
constant
英語明治期
「定」(さだまる・一定の・固定した)と「数」(かず・すうち)を組み合わせた漢語で、「変化しない固定された数値」を意味する。英語constantはラテン語constans(固定して立つ・安定した)に由来し、動かない・変わらないという字義を「定」で表現した。
結核科学
tuberculosis
英語・ラテン語幕末期緒方洪庵
「結」(むすぶ・固まる)と「核」(たね・かたまり・しこり)を組み合わせた漢語。リンパ節が腫れてかたまりを形成する様子から命名。英語tuberculosisはラテン語tuberculum(小さな瘤・結節)の縮小形に由来する。
情報科学
renseignement
フランス語明治初期酒井忠恕
「情」(様子・実情・内容)と「報」(しらせる・告げる・報知)を組み合わせた語で、「情状の報知」を字義とする。敵の状況を知らせる軍事的文脈から生まれ、現代では英語informationの訳語として定着している。
進化科学
evolution
英語明治中期石川千代松
「進」(進む・発展する)と「化」(変化する・なる)を組み合わせた和製漢語。英語evolutionはラテン語evolvere(展開する・巻き物を広げる)に由来し、もとは「展開」を意味した。ダーウィンが生物の変化・発展過程を表す語として用い、「進化」はその方向性(進む)を字義に込めた訳語となっている。
共鳴科学
resonance / sympathy
英語明治期
共(ともに)と鳴(音が響く)の結合。物理的な共振と、精神的な呼応の両方を表現する。
世紀科学
century
英語明治初期
世(世代・時代)と紀(しるす・数える・100年を示す単位)の結合。100年という時の流れを指す。
分子科学
molecule
英語・フランス語明治期
「分」は分けること・部分を意味し、「子」は小さなものを意味する。「物質を分けたときの小さな単位」という字義。moleculeはフランス語molécule(1678年)から、さらにラテン語molecula(小さな塊)の縮小形に由来する。
原子科学
atom
英語・ギリシャ語明治期
「原」は根本・起源・源を意味し、「子」は小さなものを意味する。「物質の根本にある小さな粒」という字義。atomはギリシャ語atomos(a-=否定+tomos=切ること)、すなわち「分割できないもの」に由来する。
質量科学
mass
英語明治期
「質」は物質・本質・素材を意味し、「量」は量・大きさを意味する。「物質の本質的な量」という字義。massはラテン語massa(塊・固まり)から、さらにギリシャ語maza(大麦をこねた菓子)に遡る。
固体科学
solid
英語明治期
「固」は固い・変形しないことを意味し、「体」は物体・状態を意味する。「形状が固い物体」という字義。solidはラテン語solidus(堅固な・完全な)に由来する。
酸素科学
zuurstof / oxygen
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「酸」は酸っぱいもの・酸を、「素」は根本要素を表す。オランダ語 zuurstof の字義を踏まえた翻訳借用で、「酸を生む基本物質」という当時の化学理解を漢語化した語である。
水素科学
waterstof / hydrogen
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「水」は水を、「素」は根本要素を意味する。waterstof の直訳であり、「水をなす基本物質」というラヴォワジエ以後の化学観を簡潔に示す。
窒素科学
stikstof / nitrogen
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「窒」はふさぐ・息を詰まらせる意、「素」は根本要素を表す。stikstof の「窒息させる要素」という意味を漢字二字で表現した翻訳語である。
炭素科学
koolstof / carbon
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「炭」は木炭・炭化物を指し、「素」は根本要素を意味する。koolstof の直訳的構成で、炭の本質的成分という理解を表した。
白金科学
platina / platinum
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「白金」は古くは銀を指す語でもあったが、榕菴はこれを再編して platinum の訳語に充てた。銀白色で貴い金属という外観的特徴を漢字で示した語である。
元素科学
grondstof / element
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「元」はもと・根源、「素」は基本要素を意味する。grondstof や element の根本成分という意味を、簡潔な漢語として再構成した。
酸化科学
oxidatie / oxidation
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「酸」は酸素・酸性概念を、「化」は変化を意味する。ラヴォワジエ的な「酸素を得て変化する」反応理解を簡潔に示す訳語である。
還元科学
reductie / reduction
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「還」はもとへ返る、「元」は根本の状態を意味する。物質が元の姿に戻るという旧来の化学理解をよく表した造語である。
溶解科学
oplossing / oplossen / solution
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「溶」は液の中でとけること、「解」はほどけて分かれることを意味する。物質が媒質中に分散して均一になる過程を、漢字の意味で精密に表した。
細胞科学
cel / cell
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「細」は微細さを、「胞」は袋・包みを意味する。顕微鏡下で観察される小さな区画・小室という cell の像を、視覚的に捉えた訳語である。
科学
geslacht / genus
オランダ語・ラテン語江戸後期宇田川榕菴
「属」はある類に属する・まとまることを意味する既存漢語を転用した。複数の近縁種をまとめる分類単位という genus の機能を、簡潔に表した訳語である。
保健科学
health / public health
英語昭和前期
「保」はたもつ・守る、「健」はすこやかさを意味する。字義通り「健康を保つこと」であり、health や public health の実践的側面を表す日本語として発達した。
空気科学
air / atmosphere
英語・フランス語・ドイツ語江戸後期〜明治期
「空」はから・空間、「気」は目に見えない気体や作用を意味する。空間を満たす気体という字義から、air の訳語として用いられた。
適応科学
adaptation
英語明治期
「適」はかなう・ふさわしいこと、「応」はこたえることを意味する。環境や条件にふさわしく応じるという字義から adaptation の訳語になった。
実験科学
experiment
英語明治期
「実」は実際・事実、「験」はためして確かめることを意味する。実際に試して検証するという字義から experiment の訳語に用いられた。
発見科学
discovery
英語明治期
「発」はあらわれ出る・明らかにすること、「見」は見る・認識することを意味する。隠れていたものを見えるようにするという字義で discovery に対応した。
発明科学
invention
英語・フランス語明治期
「発」は開き明らかにすること、「明」は明らか・知恵を意味する。新しい考えを明らかにして形にすることから invention に対応した。
作用科学
action / operation / interaction
英語・フランス語明治期
「作」は働きかけること、「用」は働き・効用を意味する。何かが働いて効果を生むことを表す。
反応科学
reaction / response
英語明治期
「反」は返る・逆向き、「応」はこたえることを意味する。外からの作用に対して返ってくる働きという字義で reaction に対応した。
確率科学
probability
英語明治期〜昭和初期
「確」は確かさ、「率」は割合を意味する。起こりうる確かさの割合という字義で probability に対応した。
沸騰科学
boiling / boil
英語明治期
「沸」はわき立つこと、「騰」は上へあがることを意味する。液体がわき立ち、蒸気が上がるという字義で boiling に対応した。
探索科学
search / exploration / investigation
英語江戸後期
「探」はさぐる、「索」は求めること。手がかりをたどって物事を探し求めるという字義で構成される。
解剖科学
anatomy / dissection / autopsy
オランダ語・英語江戸後期
「解」はほどく・切り分けること、「剖」は切り開くこと。身体の内側を開いて構造を明らかにする字義をそのまま表す。
伝染科学
contagion / infection
オランダ語・英語江戸後期
「伝」はつたわること、「染」はしみこみ移ること。他へうつり広がる現象を視覚的に示す構成である。
究理科学
investigation of principles / natural philosophy
英語不詳
「究」はきわめること、「理」は道理・法則。世界の仕組みを深く追究するという字義から成る。
器械科学
instrument / apparatus
英語不詳
「器」はうつわ・道具、「械」は仕掛けや装置。用途を持つ道具・装置であることを示す。
廃疾科学
permanent disability / incurable disability
英語奈良時代
「廃」は損なわれて用をなさないこと、「疾」はやまい。身体機能が損なわれた状態を表す。
符号科学
code / symbol / sign
英語江戸後期
「符」はしるし札、「号」は名づけ・しるし。対応関係を示す印を合わせた語。
腐敗科学
putrefaction / corruption
英語奈良時代
「腐」はくさること、「敗」はくずれること。内側から崩れてだめになる状態を強めて示す。
勃起科学
erection / abrupt rising
英語江戸後期
「勃」は急に勢いづくこと、「起」は起き上がること。急激な立ち上がりを示す。
健康科学
health
英語幕末・明治初期福沢諭吉
「健」はすこやかで強いこと、「康」はやすらかで無事なこと。丈夫で安定した心身の状態を表す。
観察科学
observation
英語明治期
「観」はよく見る・眺める意、「察」は明らかにする・詳しく調べる意。智慧によって対象を見極めるという仏教的字義が西洋科学の observation 概念に適合し転用された。
科学
pole
英語・オランダ語江戸末期〜明治初期
形声文字。「木」(棟木)+音符「亟」から成り、もとは建物の棟木を意味し「きわみ」へ転義。英語 pole はギリシャ語 pólos(天球の回転軸)→ラテン語 polus(軸の端)を経た語で、両語の「きわみ・軸端」という字義が合致した。
親和科学
affinity
英語・オランダ語(affiniteit)江戸後期宇田川榕菴
「親」は人が近づき親しむことを意味し、「和」は争いなく調和・なごむことを意味する。合わせて「互いになじみ調和する」という字義となる。英語 affinity はラテン語 affinitas(境界を共にすること・縁戚関係)に由来し、ad-(~へ)+ finis(境界・端)から成り、「境界を接する→近さ・親しさ」を意味する。
流体科学
fluid
英語・オランダ語(fluide / vloeistof)江戸後期
「流」は水がながれること、「体」は物質・からだ・形あるものを表す。合わせて「流れる性質をもつ物体」の意。英語fluidはラテン語fluere(流れる)に由来する。
聴学科学
acoustics / auditory science
英語明治期以降
「聴」は耳で聞くこと、注意して音を受け取ることを表し、「学」は体系的な研究を意味する。合わせて「聞く働きについての学問」の意。
角度科学
angle
英語明治初期
「角」は二線・二面の交わりや角、「度」は測る基準・程度を表す。合わせて「角の大きさを測ったもの」の意。angle はラテン語 angulus(角)に由来する。
位置科学
position
英語江戸後期〜明治期
「位」は占める場所・地位、「置」はおくこと。position はラテン語 positio(置くこと・配置)に由来する。
天文科学
astronomy
英語・オランダ語江戸後期
「天」は空・宇宙、「文」は模様・現象・記録を表す。astronomy はギリシア語 astron(星)と nomos(法則)に由来する。
大気科学
atmosphere
英語明治期
「大」は広大なもの、「気」は空気・気体を表す。atmosphere はギリシア語 atmos(蒸気)と sphaira(球)に由来する。
引力科学
gravity / attraction
英語江戸後期〜明治期
「引」は引き寄せること、「力」は物体に作用するはたらき。gravity はラテン語 gravis(重い)に由来する。
性質科学
quality / property / nature
英語・ラテン語江戸後期宇田川榕菴
「性」は生まれつきのあり方、「質」は中身・本体を表す。quality はラテン語 qualitas(どのようであるか)に由来する。
本草学科学
materia medica / pharmacognosy / herbal studies
ラテン語・英語・中国語古代中国由来・江戸期
「本草」は薬用となる草木、広くは薬用の動植鉱物を表し、「学」は体系的研究を意味する。materia medica はラテン語で「医薬の材料」をいう。
塩酸科学
hydrochloric acid
英語江戸後期宇田川榕菴
「塩」は塩化物・食塩に関わる成分、「酸」は酸性物質を表す。hydrochloric は水素 hydro- と塩素 chlor- に由来し、HCl の酸を意味する。
医術科学
medicine / medical art
英語古代漢語由来
「医」は病を治すこと・医者、「術」は技法を表す。medicine はラテン語 medicina(治療の技)に由来する。
外科科学
surgery
英語中世〜近代医学
「外」は身体の外部、「科」は部門を表す。surgery はギリシア語 cheir(手)と ergon(仕事)に由来し、「手で行う技」を意味する。
伝染病科学
contagious disease / communicable disease
英語江戸後期
「伝」は伝わること、「染」は病や毒がうつること、「病」はやまいを表す。contagious はラテン語 contagio(接触・感染)に由来する。
生理学科学
physiology
英語明治初期西周
「生」は生命、「理」は法則・すじみち、「学」は研究を表す。physiology はギリシア語 physis(自然・本性)と logos(学)に由来する。
体魄科学
body / physique / corporeal form
英語漢語由来・明治期
「体」は身体、「魄」は魂に対する肉体的生命・形ある身を表す。body は古英語 bodig に、physique はギリシア語 physis(自然・身体的性質)に由来する。
物理学科学
physics
英語明治期
「物理」は物の理法、「学」は体系的研究。physics はギリシア語 physis(自然)に由来する。
格物学科学
natural philosophy / physics
英語江戸後期〜明治初期
「格物」は物に至って理を究めること。natural philosophy は近代以前の自然研究の総称。
窮理学科学
natural philosophy / physics
英語江戸後期〜明治初期
「窮理」は理をきわめること。natural philosophy は自然界の原理を扱う旧称。
舎密科学
chemie / chemistry
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「舎密」は chemie の音を漢字で写したもの。chemistry は alchemy を経て物質変化を扱う学問を指す。
化学力科学
chemical force
英語江戸後期宇田川榕菴
「化学」は物質変化の学、「力」は作用。chemical force は化学的相互作用をいう。
親和力科学
chemical affinity
英語・オランダ語江戸後期宇田川榕菴
「親和」は互いに親しみ和すること、「力」は作用。affinity はラテン語 affinitas(近接・縁)に由来する。
元質科学
element / simple substance
英語・オランダ語江戸後期宇田川榕菴
「元」は根本、「質」は物質・本体。element はラテン語 elementum(基本要素)に由来する。
分解科学
decomposition / analysis
英語江戸後期宇田川榕菴
「分」は分けること、「解」はほどくこと。decomposition は composition(組成)を解く意。
蒸留水科学
distilled water
英語江戸後期宇田川榕菴
「蒸留」は液体を蒸発・凝縮して精製すること。distilled はラテン語 stillare(滴る)に由来する。
科学
acid
英語・オランダ語江戸後期宇田川榕菴
「酸」はすっぱい味を表す漢字。acid はラテン語 acidus(すっぱい)に由来する。
硝酸科学
nitric acid
英語江戸後期宇田川榕菴
「硝」は硝石、「酸」は酸性物質。nitric は nitre(硝石)に由来する。
硫酸科学
sulfuric acid
英語江戸後期宇田川榕菴
「硫」は硫黄、「酸」は酸性物質。sulfuric は sulfur(硫黄)に由来する。
塩素科学
chlorine
英語・オランダ語江戸後期宇田川榕菴
「塩」は塩化物との関係、「素」は元素。chlorine はギリシア語 chloros(黄緑色)に由来する。
弗素科学
fluorine
英語明治期
「弗」は fluoro- の音を写した字、「素」は元素。fluorine はラテン語 fluere(流れる)に由来する。
臭素科学
bromine
英語明治期
「臭」はにおい、「素」は元素。bromine はギリシア語 bromos(悪臭)に由来する。
沃素科学
iodine
英語明治期
「沃」は iodine の旧音写に用いられた字、「素」は元素。iodine はギリシア語 ioeides(すみれ色)に由来する。
科学
phosphorus
英語・オランダ語江戸後期宇田川榕菴
「燐」は鬼火・光る火を連想させる字。phosphorus はギリシア語 phosphoros(光を運ぶもの)に由来する。
電気科学
electricity
英語・オランダ語江戸後期〜明治期
「電」はいなずま、「気」は作用・エネルギー。electricity はギリシア語 elektron(琥珀)に由来する。
電論科学
electricity / theory of electricity
英語明治初期西周
「電」は電気、「論」は理論・論究。theory of electricity は電気現象の理論的研究をいう。
雷学科学
meteorology / atmospheric electricity
英語明治初期西周
「雷」はかみなり、「学」は研究。atmospheric electricity は大気中の電気現象をいう。
磁論科学
magnetism / theory of magnetism
英語明治初期西周
「磁」は磁石・磁気、「論」は理論。magnetism は磁鉄鉱産地 Magnesia に由来するとされる。
光論科学
optics / theory of light
英語明治初期西周
「光」はひかり、「論」は理論・論究。optics はギリシア語 optikos(見ることに関する)に由来する。
動学科学
dynamics
英語明治初期西周
「動」は動くこと、「学」は研究。dynamics はギリシア語 dynamis(力)に由来する。
静学科学
statics
英語明治初期西周
「静」は静止・安定、「学」は研究。statics はギリシア語 statikos(静止させる)に由来する。
微分科学
differentiation / differential
英語明治期
「微」はきわめて小さいこと、「分」は分けること。differential はラテン語 differre(異なる)に由来する。
積分科学
integration / integral
英語明治期
「積」は積み重ねること、「分」は分けた量。integration はラテン語 integer(完全なもの)に由来する。
幾何学科学
geometry
英語江戸後期〜明治期
「幾何」は geometry の音訳的漢語として受容された語。「学」は研究。geometry はギリシア語 geōmetria(土地測量)に由来する。
算術科学
arithmetic
英語古典漢語由来・明治期
「算」は数えること、「術」は技法。arithmetic はギリシア語 arithmos(数)に由来する。
天文学科学
astronomy
英語江戸後期〜明治期
「天文」は天体現象、「学」は研究。astronomy はギリシア語 astron(星)と nomos(法則)に由来する。
地理学科学
geography
英語明治期
「地理」は土地の理・地域のあり方、「学」は研究。geography はギリシア語 geōgraphia(大地を記述すること)に由来する。
地質学科学
geology
英語明治期
「地質」は土地・地層の性質、「学」は研究。geology はギリシア語 gē(地)と logos(学)に由来する。
動物学科学
zoology
英語明治期
「動物」は動く生物、「学」は研究。zoology はギリシア語 zōion(動物)と logos(学)に由来する。
植物学科学
botany
英語江戸後期〜明治期宇田川榕菴
「植物」は根を張って生育する生物、「学」は研究。botany はギリシア語 botanē(草)に由来する。
鉱物学科学
mineralogy
英語明治期
「鉱物」は鉱石・無機自然物、「学」は研究。mineralogy は mineral(鉱物)と -logy(学)から成る。
宇宙科学
universe / cosmos
英語・ギリシア語古典漢語由来・明治期
「宇」は空間的広がり、「宙」は時間的広がりを表すと解される。universe はラテン語 universum(一つにまとめられたもの)に由来する。
病理科学
Pathologie / pathology
ドイツ語・英語明治期
「病」は疾病・やまいを、「理」は道理・原理・学問を意味する漢字。ギリシャ語pathos(苦しみ・疾患)+logos(理論・学問)に由来するドイツ語Pathologieを、病気の「ことわり(理)」と訳した漢語造語。
回虫科学
Ascaris / roundworm
ラテン語・英語江戸末期
「蛔(かい)」は虫偏に回を組み合わせた漢字で、腸内でくるくると回転・蠕動する虫の形状に由来する。「回」は渦を巻く・旋回するを意味し、線虫の蠕動運動・円筒形状を字義に取り込んでいる。
麻薬科学
narcotic
英語昭和初期
「麻」は感覚を失わせる・しびれさせるという意味を持つ漢字で、「麻痺」「麻酔」など神経の鈍磨・麻痺を表す語に共通して用いられる。「薬」は薬物・薬品を表す。「神経を麻痺させる薬」という字義がnarcoticのギリシア語語根narkē(麻痺・しびれ)と意味的に対応しており、近代医学の文脈で訳語として充てられた。