翻訳語辞典Shaqai

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630語収録 — 外国語を意味翻訳して作られた日本語

哲学経済社会政治法律教育科学文化工学
教育教育
education
英語明治初期福沢諭吉
教え育てる、という既存の漢語を再定義して訳語として採用した。
経済経済
economy
英語明治期
古典語「経世済民」(世を治め民を救う)から意味を拡張・縮小して転用した。
社会社会
society
英語明治初期西周
仏教語・漢語の「社会」(神社の集まり)を転用し、西洋的な社会概念の訳語とした。
哲学哲学
philosophy
英語・オランダ語明治初期西周
哲(さとい、明智な)と学(学問)を組み合わせた造語。西周の著作『百一新論』で初めて使用。
科学科学
science
英語明治期
科(分類・種別)と学(学問)を組み合わせた造語。学問を分科して体系化するという意味を込めた。
自由政治
liberty / freedom
英語・フランス語明治期中江兆民
仏教語の「自由」(自らの思いのままに)を再定義。「自らに由る」という意味に基づく。
権利法律
right
英語・フランス語明治期
権(力・権力)と利(利益・利得)を組み合わせた造語。法的に保障された利益という意味を持つ。
民主政治
democracy / démocratie
英語・フランス語明治中期中江兆民
「民」は人民・国民を意味し、「主」は主権・主体を意味する。古典漢語では「民の主」=君主を指したが、近代的解釈では「民が主」を意味するよう転義した。democracyはギリシャ語demos(人民)+kratos(支配)に由来する。
革命政治
revolution
英語・フランス語明治期
古典漢語の「革命」(天命が革まる、王朝交代)から意味を拡張し、社会・政治的変革全般を表すようになった。
文化文化
culture
英語明治期森有礼
文(人の営み・文字・芸術)と化(変化・教化・感化)を組み合わせた造語。
文明文化
civilization
英語・フランス語明治期福沢諭吉
「文」は文事・文化・教養を意味し、「明」は明らかにすること・啓発を意味する。儒学の古典語から転用し、civilizationの近代的意義(物質的・精神的発展)を付与した。
法律法律
law
英語・フランス語明治期
法(規範・方法)と律(ルール・規則)を組み合わせた造語。いずれも規範を意味する漢字を重ねた。
憲法法律
constitution
ドイツ語明治期井上毅
憲(おきて・根本の規範)と法(規範・ルール)を組み合わせた造語。ドイツ法学の影響を強く受けた。
政府政治
government
英語明治期
政(まつりごと・政治)と府(役所・蔵)を組み合わせた造語。統治を行う機関という意味を持つ。
国家政治
state / nation
英語・ドイツ語明治期
国(くに・領域)と家(いえ・家族的共同体)を組み合わせた造語。統治単位としての政治的まとまりを表す。
個人哲学
individual
英語明治期西周
個(単一の・個別の)と人(人間)を組み合わせた造語。分割できない(individual)単体の人という意味。
主義政治
-ism
英語明治期西周
主(主体・中心)と義(正しい道・根本原則)を組み合わせた造語。思想体系の接尾語として創出された。
主観哲学
subjectivity
ドイツ語明治期西周
主(主体・自己)と観(見方・観点)を組み合わせた造語。認識主体の側からの見方という意味。
客観哲学
objectivity
ドイツ語明治期西周
客(外部・他者・客体)と観(見方・観点)を組み合わせた造語。主観の対義語として創出。
抽象哲学
abstract
英語明治期
抽(抜き出す)と象(形・具体的な形象)を組み合わせた造語。形象を抜き出すという操作を表す。
具体哲学
concrete
英語明治期
具(備わっている・完備した)と体(形体・実体)を組み合わせた造語。実体が備わっているという意味。
概念哲学
concept
英語・ドイツ語明治期西周
概(おおよそ・大まかな)と念(思い・意識・考え)を組み合わせた造語。おおよその思考的把握という意味。
理性哲学
reason
英語・ドイツ語明治期
理(ことわり・道理・論理)と性(本性・性質)を組み合わせた造語。論理的思考を本性とする能力という意味。
感情哲学
emotion
英語明治期
感(感じる・感覚)と情(こころ・気持ち)を組み合わせた造語。感じる心の動きという意味。
意識哲学
consciousness
英語・ドイツ語明治期西周
意(こころ・意志・考え)と識(知る・認識する)を組み合わせた造語。認識する心の働きという意味。
経験哲学
experience
英語明治期
経(へる・通る・体験する)と験(ためす・確かめる)を組み合わせた造語。体験して確かめるという意味。
技術工学
technology
英語明治後期
技(わざ・技能・スキル)と術(すべ・方法・手法)を組み合わせた造語。技能・手法の体系という意味。
産業経済
industry
英語明治期
産(うむ・生産する)と業(わざ・仕事・職業)を組み合わせた造語。生産活動としての仕事という意味。
資本経済
capital
英語明治期
資(もとで・財産・資金)と本(もと・根本・元本)を組み合わせた造語。生産のための元手という意味。
労働経済
labor
英語明治期
労(ねぎらい・苦労・はたらく)と働(はたらく)を組み合わせた造語。苦労して働くという意味を含む。
市場経済
market
英語明治期
市(いち・売買の場)と場(ば・場所)を組み合わせた造語。取引が行われる場所という意味。
企業経済
enterprise
英語明治後期
企(くわだてる・計画する)と業(わざ・事業)を組み合わせた造語。事業を企てる組織という意味。
組織社会
organization
英語明治後期
組(くむ・組み合わせる)と織(おる・複雑に絡み合わせる)を組み合わせた造語。複雑に組み合わさった構造という意味。
自然哲学
nature / Natur
英語・ドイツ語・フランス語明治中期
「自」は「みずから・おのずから」、「然」は「そのようである状態」を意味し、合わせて「おのずからそうである」となる。老子の「無為自然」や仏教の「自然法爾(じねんほうに)」に由来する古典的概念。
近代文化
modern / modernity
英語・フランス語・ドイツ語明治期
近(近い・直近の)と代(時代・世代)を組み合わせた造語。「現在に近い時代」という意味で、西洋語 modern のラテン語語源 modo(今まさに)に相応する概念を漢字で表現した。
芸術文化
art / Kunst
英語・ドイツ語・フランス語明治期西周
芸(わざ・技芸・才能)と術(すべ・技法・方法)を組み合わせた造語。技芸の方法・体系という意味を持ち、古典漢語の「藝」(六芸などの技能)を再転用した。
恋愛文化
love / amour
英語・フランス語明治中期
恋(こい・慕う気持ち)と愛(いつくしむ・大切に思う)を組み合わせた造語。慕い愛するという意味で、肉体的欲望よりも精神的・感情的な絆を強調する語として創出された。
哲学
beauty / das Schöne
英語・ドイツ語明治期西周
古漢字の会意文字。羊(大きな羊)と大(大きい)を組み合わせ、もとは「大きく肥えた羊」→「美味しい」→「美しい」という意味の変遷をたどる。古来からの漢字を哲学的概念の訳語として転用した。
社会
he
英語明治期
古来「かれ」は「あの人・あれ」を指す指示代名詞で性別を問わなかった。漢字「彼」は彳(行く・道)と皮(あの・遠いもの)を組み合わせた字で、「向こう側のもの」を意味する。
物理科学
physics
英語幕末〜明治初期
物(もの・事物)と理(ことわり・道理・法則)を組み合わせた古典漢語。「物事の道理」を意味し、宋代朱子学の「格物致知」(物に格って知を致す)の思想にも通じる概念を転用した。
思想哲学
thought / Gedanke
英語・ドイツ語明治期
思(おもう・考える)と想(おもいえがく・想像する)を組み合わせた古典漢語。両字とも心の働きを表し、合わせて「深く考え思いめぐらすこと」を意味する。
判断哲学
judgment / Urteil
英語・ドイツ語明治期
判(刀で分け目を入れる・決める)と断(切る・決断する)を組み合わせた古典漢語。刀で切り分けて判定するという比喩的意味を持ち、もとは仏教語として用いられた。
分析科学
analysis / Analyse
英語・ドイツ語明治期
分(わける・分割する)と析(割く・細かく分け裂く)を組み合わせた造語。析は木を割るさまを表す字で、合わせて「細かく分け分けて明らかにする」という意味を持つ。
推理哲学
reasoning / inference
英語明治期
推(おす・推し進める・推量する)と理(ことわり・道理・法則)を組み合わせた漢語。「道理を推し進めて考える」という意味を持つ。
総合哲学
synthesis / Synthese
英語・ドイツ語明治期
総(すべて・まとめる)と合(あわせる・一つにまとめる)を組み合わせた造語。「すべてをまとめ合わせる」という意味を持ち、ギリシャ語syntithenai(一緒に置く・結合する)の概念に対応する。
命題哲学
proposition
英語明治初期西周
命(言いつける・題する・名づける)と題(主題・問題・テーマ)を組み合わせた造語。「言葉によって命じられた問い・主張」という意味で、論理学の命題概念を的確に表す。
原理哲学
principle / Prinzip
英語・ドイツ語明治期
原(みなもと・根源・もと)と理(ことわり・道理・法則)を組み合わせた漢語。「物事の根源にある道理・法則」という意味で、ラテン語principium(最初の石・根本)に対応する。
法則科学
law / Gesetz
英語・ドイツ語明治期
法(規範・きまり・ルール)と則(のり・準拠すべき基準)を組み合わせた漢語。「守られるべき規範・準拠」という意味で、自然界の普遍的な規則性を表す語として定着した。
目的哲学
purpose / Zweck
英語・ドイツ語明治期
目(めざす・目標にする)と的(まと・標的・ねらい)を組み合わせた和製漢語。「目指すまと」という字義を持ち、意識的に向かう到達点・意図を表す。
手段哲学
means / Mittel
英語・ドイツ語明治期
手(て・やり方・腕前)と段(段階・方法・やり口)を組み合わせた漢語。「手を使う作業のやり方」という字義から、目的を実現するための方法全般を指す語として定着した。
政治政治
politics
英語明治期
政(まつりごと・統治すること)と治(おさめる・整える)を組み合わせた漢語。「国をおさめること」という字義で、古来は祭祀と政務が一体化した「まつりごと」を意味した。
平等政治
equality
英語明治期中江兆民
平(たいら・ひとしい・差がない)と等(ひとしい・同じ程度)を組み合わせた漢語・仏教語。「すべてが同等であること」という字義を持ち、仏教では衆生の平等を、近代では人権・地位の均等を意味する。
義務法律
duty / obligation
英語明治期
義(道義・あるべき道・正しい道)と務(つとめ・はたすべきこと)を組み合わせた漢語。「道義として果たすべき務め」という字義を持ち、道徳的・法的に課せられた責任を表す。
議会政治
parliament
英語明治期
議(はかる・論じ合う・審議する)と会(あつまる・集まり・機関)を組み合わせた漢語。「討議するために人が集まる機関」という字義を持ち、代表者が立法・審議を行う機関を指す。
選挙政治
election
英語明治期
選(えらぶ・選択する)と挙(あげる・推挙する・登用する)を組み合わせた漢語。「選んで推し上げること」という字義で、古来は優秀な人材を選抜する意で使われ、近代では投票による代表選出を指す。
独立政治
independence
英語明治初期福沢諭吉
独(ひとり・単独で・他に頼らず)と立(たつ・自らの力で立つ)を組み合わせた漢語。「他に頼らず自らの力で立つこと」という字義で、政治的独立と個人の自律の双方を表す。
条約政治
treaty
英語幕末・明治期
条(箇条・条文・規定の一項目)と約(やくそく・取り決め・誓約)を組み合わせた漢語。「複数の条文からなる国家間の取り決め」という字義を持つ。
外交政治
diplomacy
英語幕末・明治期
外(そと・対外的な・他国との)と交(まじわる・交際する・折衝する)を組み合わせた漢語。「他国・外部との交際・折衝」という字義を持ち、国家間の政治的交渉を指す。
主権政治
sovereignty / souveraineté
英語・フランス語明治初期柴田昌吉
「主」は主体・支配者・主権者を意味し、「権」は権力・権限を意味する。管子(七臣七主)に初出とされる古典漢語で、近代的な国家最高権力の概念に充てられた。sovereigntyは古フランス語soverainete(至高の権力)に由来し、ラテン語superanus(上位の)が語根。
国民政治
nation
英語明治期
国(くに・国家)と民(たみ・人民・国の構成員)を組み合わせた漢語。「国家に属する人民」という字義で、近代では国家の政治的成員としての市民を指す。
植民地政治
colony
英語明治期
植(うえる・定着させる)と民(たみ・人民)と地(ち・土地・領土)を組み合わせた漢語。「人を移住・定着させた土地」という字義で、本国から人民を移住させ支配した領土を指す。
銀行経済
bank
英語明治期
銀(しろがね・貨幣)と行(なかま・同業商人組合)を組み合わせた漢語。「銀(貨幣)の取引を行う商人組合」という字義で、英語bankのイタリア語源banco(机・ベンチ)とは異なる経路で定着した。
株式経済
stock
英語明治期
株(木の株・権利の単位・持分)と式(方式・制度・形式)を組み合わせた漢語。「一定の方式で区分された資本の持分」という字義で、会社の資本を均等に分割した権利単位を指す。
投資経済
investment
英語明治期
投(なげる・委ねる・投じる)と資(もとで・資本・資金)を組み合わせた漢語。「資本を投じること」という字義で、利益を期待して資金を特定の対象に委ねる行為を表す。
利益経済
profit
英語明治期
利(もうけ・利得・有益なこと)と益(ます・もうかる・恵み)を組み合わせた漢語。古くは仏教的な「恵み」を意味したが、近代では経済的な純収益・収得を指す語として定着した。
損失経済
loss
英語明治期
損(そこなう・減らす・損害を与える)と失(うしなう・なくなる・失う)を組み合わせた漢語。「物を損なって失うこと」という字義で、経済活動における純損害・損害額を表す。
需要経済
demand
英語明治期
需(もとめる・必要とする・必要としてほしがる)と要(かなめ・必要・重要なこと)を組み合わせた漢語。「必要として求めること」という字義で、財・サービスに対する購買欲求を表す。
供給経済
supply
英語明治期
供(そなえる・提供する・供する)と給(くばる・とどける・給付する)を組み合わせた漢語。「必要なものを揃えて届けること」という字義で、市場への財・サービスの提供を表す。
価格経済
price
英語明治期
価(あたい・値段・貨幣的評価)と格(おきて・基準・等級)を組み合わせた漢語。「価値の基準・定められた値段」という字義で、財の貨幣的評価額を表す。
貿易経済
trade
英語幕末・明治期
貿(かえる・交換する・取り引きする)と易(かえる・とりひきする・容易にする)を組み合わせた漢語。「物を交換し取引すること」という字義で、国家間の商品取引を意味する。
輸出経済
export
英語幕末・明治期
輸(おくる・はこぶ・搬送する)と出(だす・外に出る・外部へ)を組み合わせた漢語。「国外へ運び出すこと」という字義で、国内の財・商品を外国へ搬出・販売することを表す。
輸入経済
import
英語幕末・明治期
輸(おくる・はこぶ・搬送する)と入(いれる・中に入る・国内へ)を組み合わせた漢語。「外から運び入れること」という字義で、外国の財・商品を国内に搬入・購入することを表す。
通貨経済
currency
英語明治期
通(とおる・流通する・広く行きわたる)と貨(たから・財貨・貨幣)を組み合わせた漢語。「広く流通する貨幣」という字義で、「流通貨幣」の略称として法定の交換手段を表す。
金融経済
finance
英語明治期
金(かね・貨幣・資金)と融(とける・流れる・融通する)を組み合わせた漢語。「資金を融通すること」という字義で、貨幣・資本の流通・貸借を表す。
財政経済
public finance / fiscal policy
英語明治期
財(たから・財産・ざいさん)と政(まつりごと・政治・行政)を組み合わせた漢語。「国家財産の管理と行政」という字義で、国家の経済的収支管理・予算運営を表す。
化学科学
chemistry
英語幕末・明治期
化(かわる・変化する・変容する)と学(まなぶ・学問)を組み合わせた漢語。「物質の変化を研究する学問」という字義で、物質の組成・性質・変化を科学的に扱う学問を表す。
生物科学
biology
英語明治期
生(いきる・いのち・生命を持つ)と物(もの・存在・実体)を組み合わせた漢語。「生きているもの・命あるもの」という字義で、生命を持つ存在(動物・植物・微生物など)全般を指す。
数学科学
mathematics
英語明治期
数(かず・数量・論理・ことわり)と学(まなぶ・学問)を組み合わせた漢語。「数量・論理を研究する学問」という字義を持ち、漢字の「数」には「論理・ことわり」という意味もある。
地理科学
geography
英語幕末・明治期
地(ち・大地・土地)と理(ことわり・道理・しくみ)を組み合わせた漢語。「大地のしくみと道理を研究すること」という字義で、地表の自然・人文的事象を扱う学問を指す。
歴史文化
history
英語明治期
歴(へる・経過する・次々と経てきた)と史(ふみ・記録・歴史家)を組み合わせた漢語。「次々と経過してきた出来事の記録」という字義で、時間の経過とともに積み重なった事象の記録・研究を指す。
文学文化
literature
英語明治期
「文」は文字・文章・文事(文学的な事柄)を意味し、「学」は学問・学術を意味する。古典漢語の「文学」は文事の学問という意で、近代的なliteratureの概念を担う語として再利用された。
心理哲学
psychology
英語明治期西周
心(こころ・精神・内的な働き)と理(ことわり・道理・しくみ)を組み合わせた漢語。「心のしくみと道理を研究すること」という字義で、精神・意識現象を扱う学問を指す。
工業工学
industry
英語明治期
工(たくみ・ものをつくる・工作する)と業(わざ・生業・なりわい)を組み合わせた漢語。「工作・製造を行う産業」という字義で、機械・工場を用いた製造業を指す。
農業経済
agriculture
英語明治期
農(たがやす・農耕する・農民)と業(わざ・生業・なりわい)を組み合わせた漢語。「農耕を行う産業・生業」という字義で、土地を耕して食物や原料を生産する産業を指す。
医学科学
medicine
英語明治期
医(いやす・治療する・医師・医術)と学(まなぶ・学問)を組み合わせた漢語。「病を治す術と学問」という字義で、人体・疾病・治療を科学的に研究する学問を指す。
宗教文化
religion
英語明治期
宗(みなもと・宗派・崇める対象・根本)と教(おしえ・教義・教え)を組み合わせた漢語・仏教語。「宗派の教え」という仏教的字義が、信仰・超越的存在への帰依という宗教一般を指す語に転用された。
哲学者哲学
philosopher
英語明治期西周
哲(かしこい・物事の道理に通じた・賢明な)と学(まなぶ・学問)と者(もの・ひと・その道の人)を組み合わせた漢語。「道理に通じた学問を修める人」という字義で、西洋語philosopherのギリシャ語原義「知恵を愛する者」に対応する。
研究科学
research
英語明治期
研(とぐ・みがく・深く掘り下げる)と究(きわめる・突き詰める・奥深くまで探る)を組み合わせた漢語。「徹底的に磨き、究め尽くすこと」という字義で、事物の本質を深く探求する活動を表す。
衛生科学
hygiene
英語・ドイツ語明治初期長与専斎
衛(まもる・護る)と生(いのち・生命)を組み合わせた漢語。「生命を守る・健康を護る」という字義で、荘子「庚桑楚篇」の「衛生の経(生を養うの道)」に由来する。英語hygieneはギリシャ神話の健康の女神ヒュギエイアに由来する。
文化
love / agapē
英語・ギリシャ語明治初期
古来より漢字圏に存在した語で、「心が気にかかる・執着する・大切にする」を意味した。古代中国語では「仁愛・慈愛」の意で用いられ、仏教では渇愛(タンハー)の訳として煩悩的な意味合いも持つ。ギリシャ語 agapē は神の無償の愛を意味し、これに「愛」を当てることで語義が大きく拡張された。
品性教育
character
英語明治初期阿部泰蔵
「品」(人としての等級・品格)と「性」(生まれつきの性質・本性)から成る漢語で、「人の本来的な品位・性質」を意味する。英語characterはギリシャ語kharaktēr(刻まれた印・特徴)に由来し、道徳的な人格を指す意味で用いられた。
品行教育
character
英語明治初期中村正直
「品」(等級・品位・人としての格)と「行」(行い・ふるまい・実践)を組み合わせた古典漢語。「人の行いの品格・品位ある振る舞い」を意味し、中国古典にも用例がある既存の漢語を西洋概念の訳語に転用した。
定数科学
constant
英語明治期
「定」(さだまる・一定の・固定した)と「数」(かず・すうち)を組み合わせた漢語で、「変化しない固定された数値」を意味する。英語constantはラテン語constans(固定して立つ・安定した)に由来し、動かない・変わらないという字義を「定」で表現した。
懊悩哲学
anguish
英語明治期
「懊」(おう・もだえる・心が乱れる)と「悩」(のう・なやむ・苦しむ)を組み合わせた古典漢語。「心が乱れてもだえ苦しむ」という字義で、中国古典に由来する表現。英語anguishはラテン語angustia(狭さ・窮迫)に由来する。
結核科学
tuberculosis
英語・ラテン語幕末期緒方洪庵
「結」(むすぶ・固まる)と「核」(たね・かたまり・しこり)を組み合わせた漢語。リンパ節が腫れてかたまりを形成する様子から命名。英語tuberculosisはラテン語tuberculum(小さな瘤・結節)の縮小形に由来する。
品格哲学
character
英語明治初期
「品」(品位・等級・人としての質)と「格」(等級・基準・品位・地位)を組み合わせた古典漢語。「人としての品位・格式・質の高さ」を字義とし、中国古典に由来する既存語を明治期の翻訳文脈に転用した。
人格哲学
personality / Persönlichkeit
英語・ドイツ語明治期井上哲次郎
「人」(ひと・人間)と「格」(等級・資格・地位・品位)を組み合わせた漢語で、「人間としての格・品位・道徳的資格」を意味する。英語personalityはラテン語persona(仮面・役柄・人格)に、ドイツ語Persönlichkeitも同語源に由来する。
情報科学
renseignement
フランス語明治初期酒井忠恕
「情」(様子・実情・内容)と「報」(しらせる・告げる・報知)を組み合わせた語で、「情状の報知」を字義とする。敵の状況を知らせる軍事的文脈から生まれ、現代では英語informationの訳語として定着している。
修身教育
moral science
英語明治初期阿部泰蔵
儒教の四書の一つ「大学」(礼記所収)に由来する古典漢語。「大学」の八条目「修身・斉家・治国・平天下」の冒頭に位置し、「身を修める」すなわち自己の行いや徳を磨くことを意味する。「修」(おさめる・みがく)と「身」(からだ・自己)を組み合わせた語。
学生教育
student
英語明治期
「学」(まなぶ・学問)と「生」(ひと・若者)を組み合わせた古典漢語。律令制の大学寮に学ぶ者を「学生(がくしょう)」と呼んだ用法に由来し、近世以降「がくせい」と読み替えられた。英語studentはラテン語studere(熱心に取り組む・励む)に由来する。
青年社会
Young Men
英語明治期小崎弘道
「青」(若々しさ・春・新鮮さを象徴する色)と「年」(年齢・時代)を組み合わせた語。陰陽五行では青は春・若さを象徴し、「青年」は「若い年頃の人」を字義とする。唐詩などの「青雲の志」(高い志・若々しい向上心)に着想を得た造語とも伝えられる。
徳性哲学
virtue
英語・フランス語明治期井上哲次郎
「徳」(道徳的な卓越性・善き品性)と「性」(生まれながらの本性・本質)を組み合わせた漢語。朱子学の『中庸』に見える「尊徳性」(徳の本性を尊ぶ)に由来し、天から賦与された道徳的本性を意味する。英語 virtue はラテン語 virtus(勇気・卓越性)に、フランス語 vertu も同語源に由来する。
写真文化
photograph
英語幕末〜明治初期
「写」(うつす・模写する)と「真」(まこと・実物)を組み合わせた漢語で、「真実のものを写し取る」を字義とする。もと肖像画や写生画を意味し、光学的記録技術の訳語として転用された。英語photographはギリシャ語phōs(光)とgraphein(描く)に由来し「光で描く」を意味する。
電話工学
telephone
英語明治中期
「電」(電気)と「話」(会話・ことば)を組み合わせた和製漢語で、「電気による会話」を字義とする。英語telephoneがギリシャ語tele(遠く)とphōnē(声)に由来し「遠くへ声を届ける」を意味するのに対し、日本語訳は電気的な伝送手段を前面に出した訳語構成となっている。
汽車工学
steam locomotive
英語明治初期
「汽」(蒸気・水蒸気)と「車」(乗物・車両)を組み合わせた和製漢語。「汽」は水が沸騰して生じる蒸気を意味し、蒸気機関の動力源をそのまま字義に取り込んでいる。英語のsteam locomotiveやtrainに対応するが、動力方式を前面に出した訳語構成となっている。
進化科学
evolution
英語明治中期石川千代松
「進」(進む・発展する)と「化」(変化する・なる)を組み合わせた和製漢語。英語evolutionはラテン語evolvere(展開する・巻き物を広げる)に由来し、もとは「展開」を意味した。ダーウィンが生物の変化・発展過程を表す語として用い、「進化」はその方向性(進む)を字義に込めた訳語となっている。
存在哲学
being / existence / Sein
英語・ドイツ語明治中期井上哲次郎
「存」(ながらえる・のこる)と「在」(ある・いる)を組み合わせた漢語系熟語で、「そこにあり続ける」を字義とする。英語existenceはラテン語ex(外へ)+sistere(立つ)に由来し「立ち現れる・現出する」を意味する。ドイツ語Seinは動詞sein(ある・である)の名詞化で「あること」そのものを指す。
暗示哲学
suggestion
英語明治期井上哲次郎
「暗」(ほのめかす・隠す)と「示」(しめす)を組み合わせた語。古来、直接言わずそれとなく伝えることを意味する既存の漢語を、心理学的暗示概念の訳語に転用した。
意志哲学
will
英語明治期井上哲次郎
「意」(こころ・おもい)と「志」(こころざし・向かう先)を組み合わせた古典漢語。「心がある方向に向かうこと」を字義とする。
印象哲学
impression
英語明治期井上哲次郎
「印」(型・形跡)と「象」(かたち・イメージ)を組み合わせた古典漢語。「心に印のように刻まれた形」を字義とし、感覚的な知覚・影響を表す。
環境社会
environment
英語明治後期
環(ぐるりと囲む)と境(境界・領域)を組み合わせた漢語。元来は物理的な周囲の範囲を指したが、近代以降は生物・人間を取り巻く外部環境を指す。
恐慌経済
panic / crisis
英語・ドイツ語明治期
恐(おそれる)と慌(あわてる)の合成語。社会や経済がパニック状態に陥ることを指す。
常識哲学
common sense
英語明治初期
常(常に存在する・あたりまえの)と識(知識・判断力)を組み合わせた漢語。本来は「誰もが持つ知性」を意味する。
理想哲学
ideal
英語明治初期西周
理(理性・ことわり)と想(おもい・観念)を組み合わせた造語。単なる空想ではなく、理性に裏打ちされた究極の形態を指す。
象徴文化
symbol
フランス語明治期中江兆民
象(かたち・姿)と徴(しるし・あらわれ)の合成語。抽象概念を具体的な形象で表すという字義。
絶対哲学
absolute
英語・ドイツ語明治期井上哲次郎
絶(とだえる・ひき離す)と対(むかう・相対する)を組み合わせた漢語。「他との対立関係が絶たれている」という意味。
現象哲学
phenomenon
英語・ドイツ語明治初期西周
現(あらわれる)と象(かたち・すがた)の組み合わせ。本体が外側に形をとって現れたものという意味。
共鳴科学
resonance / sympathy
英語明治期
共(ともに)と鳴(音が響く)の結合。物理的な共振と、精神的な呼応の両方を表現する。
公園社会
park
英語明治初期
公(パブリック・公共)と園(庭園・庭)の結合。公共の庭園という意味でparkの訳語となった。
肯定哲学
affirmation / Positivität
英語・ドイツ語明治期西周
肯(うなずく・認める)と定(きめる・確定する)の結合。事実や考えをその通りであると認めること。
人生観哲学
view of life / Lebensanschauung
英語・ドイツ語明治中期
人生(生き方・一生)と観(見方・考え方)の結合。個人の人生に対する哲学的見解。
世紀科学
century
英語明治初期
世(世代・時代)と紀(しるす・数える・100年を示す単位)の結合。100年という時の流れを指す。
先天哲学
a priori / angeboren
英語・ドイツ語明治初期西周
先(あらかじめ・先立つ)と天(生まれつき)の結合。生まれながらに備わっていること。
背景文化
background
英語明治期
背(うしろ)と景(けしき・うしろの壁など)の結合。絵や劇の奥の部分を指す。
郵便社会
post
英語明治初期前島密
「郵」は古代中国の官道に設けられた馬による伝令中継所を指す漢字。「便」は便宜・手紙の意。合わせて文書や荷物を配達する通信制度を表す。
野球文化
baseball
英語明治期中馬庚
「野」は野原・フィールドの意、「球」はボールの意。baseballが野外の広い場所で球を打ち走る競技であることから、「野原で行う球技」として命名された。
福祉社会
welfare
英語明治期以降
「福」は幸い・富の意、「祉」も幸い・さいわいの意。ともに幸福を表す漢字の重ね合わせで、古典中国語にも用例がある。
観念哲学
idea / Idee
英語・ドイツ語明治初期西周
「観」は仏教で心を一点に集中して対象を観察・思念すること、「念」は心に抱く思い・意識の意。合わせて心に浮かぶ思想・意識内容を表す。
階級社会
class / Klasse
英語・ドイツ語明治期
「階」は建物の段・階段を意味し、「級」は等級・順位を意味する。段階的な社会的序列を視覚的に表現した字義の組み合わせ。
運動社会
movement / motion
英語明治期
「運」は動かす・運ぶを意味し、「動」は動くを意味する。古典中国語にも「運動」の用例はあるが、近代的な物理・社会概念の担い手として再定義された。
右翼政治
right wing / droite
英語・フランス語大正期
「右翼」は軍事用語として部隊の右側面を指す語でもあるが、政治的用法はフランス語「aile droite」(右の翼)の直訳に由来する。フランス語droiteは「右」「正しい」を意味するラテン語directusに遡る。
左翼政治
left wing / gauche
英語・フランス語大正期
「左翼」は軍事用語として部隊の左側面を指す語でもあるが、政治的用法はフランス語「aile gauche」(左の翼)の直訳に由来する。フランス語gaucheは「左」「不器用な」を意味する。
共和政治
republic
英語・ラテン語江戸末期箕作省吾
古代中国の「共和」の故事に由来。紀元前841年、周の厲王が失脚後、召公と周公が共同で政務を執った期間を「共和」と呼ぶ。「共に和して治める」という含意を持ち、王なき共同統治を表す。
共産主義政治
communism / communisme
英語・フランス語明治期
communismはラテン語communis(共有の・共通の)にフランス語の接尾辞-ismeが付いた語。「共」は共有・共同、「産」は財産・生産物を意味し、生産手段の共有を旨とする思想を端的に表現した。
失恋文化
heartbreak / unrequited love
英語(対応語)明治期
「失」は失う・なくすを意味し、「恋」は恋愛・慕情を意味する。「恋を失う」という動賓構造(述語+目的語)の和製漢語。
接吻文化
kiss / kus
英語・オランダ語江戸末期
「接」は接する・触れることを意味し、「吻」は口・くちびる(口のすぼまった部分)を意味する。「くちびるを合わせる」という動作を直截に表した字義。
唯物論哲学
materialism / Materialismus
英語・ドイツ語明治初期井上哲次郎
「唯」は「ただ〜だけ」という限定を意味し、「物」は物質・物体、「論」は理論・学説を意味する。「物質のみを実在とする理論」という字義。materialismのmateriaはラテン語で「素材・物質」を意味する。
民族社会
Volk / nation
ドイツ語・英語明治後期
「民」は人民・民衆を意味し、「族」は同一の血縁・文化・言語を共有する集団を意味する。血縁的・文化的共同体という意味内容を漢字で表現した。
警察法律
police
英語・フランス語明治初期
「警」は警戒・注意することを意味し、「察」は看察・観察・推知することを意味する。「警戒してあらかじめ察する」という字義。policeの語源はギリシャ語polis(都市国家)に遡るラテン語politia(国家統治)。
分配経済
distribution
英語・フランス語明治期
「分」は分けること・分割を意味し、「配」は割り当て・配分を意味する。「分けて割り当てる」という字義。distributionはラテン語distributio(分配・分類)に由来する。
感性哲学
sensibility / Sinnlichkeit
英語・ドイツ語明治初期西周
「感」は外界の刺激に反応・感じることを意味し、「性」は本質的な性質・働きを意味する。「外界に感じる本質的能力」という字義。Sinnlichkeitはドイツ語Sinn(感覚)に由来する。
分子科学
molecule
英語・フランス語明治期
「分」は分けること・部分を意味し、「子」は小さなものを意味する。「物質を分けたときの小さな単位」という字義。moleculeはフランス語molécule(1678年)から、さらにラテン語molecula(小さな塊)の縮小形に由来する。
原子科学
atom
英語・ギリシャ語明治期
「原」は根本・起源・源を意味し、「子」は小さなものを意味する。「物質の根本にある小さな粒」という字義。atomはギリシャ語atomos(a-=否定+tomos=切ること)、すなわち「分割できないもの」に由来する。
質量科学
mass
英語明治期
「質」は物質・本質・素材を意味し、「量」は量・大きさを意味する。「物質の本質的な量」という字義。massはラテン語massa(塊・固まり)から、さらにギリシャ語maza(大麦をこねた菓子)に遡る。
固体科学
solid
英語明治期
「固」は固い・変形しないことを意味し、「体」は物体・状態を意味する。「形状が固い物体」という字義。solidはラテン語solidus(堅固な・完全な)に由来する。
時間哲学
time / Zeit
英語・ドイツ語明治初期
「時」は時・時刻・ある時点を意味し、「間」は間・あいだ・持続を意味する。古典漢語にも「時間」の用例はあるが、近代的な哲学・物理学上の概念を担う語として再利用された。
空間哲学
space / Raum
英語・ドイツ語明治初期
「空」は空・虚ろを意味し、「間」は間・ひろがりを意味する。「何もない広がり・虚ろな間」という字義。spaceはラテン語spatium(広がり・間隔)に由来する。
理論哲学
theory
英語・ドイツ語明治期
「理」は道理・条理・事物の筋道を意味し、「論」は論述・議論・体系的な考察を意味する。「事物の筋道を体系的に論じたもの」という字義。theoryはギリシャ語theoria(観察・考察・思索)に由来する。
美術文化
fine arts / beaux-arts
英語・フランス語明治初期西周
「美」は美しさ・審美的価値を意味し、「術」は技術・技芸を意味する。「美を追求する技芸」という字義。fine artsのfineはラテン語finitus(完成された・洗練された)に由来する。
喜劇文化
comedy
英語・フランス語明治期
「喜」は喜び・笑いを意味し、「劇」は演劇・劇的な演技を意味する。「喜びや笑いを扱う演劇」という字義。comedyはギリシャ語komodia(komos=宴会の祭り+oide=歌)に由来する。
悲劇文化
tragedy
英語・フランス語明治期
「悲」は悲しみ・哀れを意味し、「劇」は演劇・劇的な演技を意味する。「悲しみや苦難を扱う演劇」という字義。tragedyはギリシャ語tragoidia(tragos=ヤギ+oide=歌)に由来し、主人公が苦難・死を迎える演劇ジャンルを指す。
国債経済
government bond / dette publique
英語・フランス語明治期
「国」は国家を、「債」は債務・借金を意味する。国家が負う債務という字義で、古典漢語にも存在した語を近代財政用語として転用した。bondはラテン語bandumに由来し、拘束・義務を原義とする。
特権政治
privilege / prerogative
英語・フランス語明治期
「特」は特別・特定を意味し、「権」は権力・権利を意味する。特別に認められた権利という字義。privilegeはラテン語privilegium(privus=個人+lex=法)に由来し、「個人のための特別な法」を原義とする。
平時政治
peacetime / temps de paix
英語・フランス語明治期
「平」は平和・平穏を意味し、「時」は時間・時期を意味する。平和な時期という字義。peacetimeはpeace(ラテン語pax=平和)とtime(古英語tīma=時)の複合語。
戦時政治
wartime / temps de guerre
英語・フランス語明治期
「戦」は戦争・戦闘を意味し、「時」は時間・時期を意味する。戦争の時期という字義。wartimeはwar(古英語werre)とtime(古英語tīma)の複合語。
野蛮社会
barbarian / savage / barbarie
英語・フランス語明治初期
「野」は野原・粗野・礼節のないさまを意味し、「蛮」は古典漢語で南方の未開民族を指す語。古典中国語に「野蛮」は「礼節のない・粗暴な」の意で存在した語で、barbarianの訳語として転用された。barbarianはギリシャ語barbaros(「バルバル」と聞こえる外国語を話す者)に由来する。
越権法律
ultra vires / excès de pouvoir
ラテン語・フランス語明治期
「越」は超える・越境することを意味し、「権」は権限・権力を意味する。与えられた権限を超えるという字義。ultra viresはラテン語ultra(超えて)+vires(力の複数形、virの複数)に由来する。
慣行法律
custom / usage / pratique
英語・フランス語明治期
「慣」は慣れ親しむ・習慣を意味し、「行」は行為・行うことを意味する。習慣的に行われる行為・やり方という字義。customはラテン語consuetudo(習慣)に由来し、繰り返されることで形成される社会規範を意味する。
共用法律
common use / usage commun
英語・フランス語明治期
「共」は共同・ともにを意味し、「用」は使用・用途・利用を意味する。複数者がともに使うという字義。commonはラテン語communis(共同の・公共の)に由来し、共同体に属するものを意味する。
私権法律
private right / droit privé
英語・フランス語明治期
「私」は個人・私的・公の対義を意味し、「権」は権利・権限を意味する。個人の私的領域における権利という字義。private rightのprivateはラテン語privatus(国家から分離された・個人的な)に由来する。
実権政治
real power / effective authority / pouvoir réel
英語・フランス語明治期
「実」は実際・現実・真実を意味し、「権」は権力・権限を意味する。実際に機能する・行使される権力という字義。real powerのrealはラテン語realis(物・事に即した)に由来する。
上告法律
appeal / pourvoi en cassation
英語・フランス語明治期
「上」は上位・上方を意味し、「告」は告げる・申告・訴えることを意味する。上位(の裁判所)に申告する・訴えるという字義。appealはラテン語appellare(呼びかける・訴える)に由来し、ad(向かって)+pellare(駆る)が語根。
例外法律
exception / exception
英語・フランス語明治期
「例」は例・規則・慣例を意味し、「外」は外側・外れることを意味する。規則・例の外にある事例という字義。exceptionはラテン語exceptio(excipere=取り出す)に由来し、ex(外に)+capere(取る)が語根で「取り出されたもの」を原義とする。
酸素科学
zuurstof / oxygen
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「酸」は酸っぱいもの・酸を、「素」は根本要素を表す。オランダ語 zuurstof の字義を踏まえた翻訳借用で、「酸を生む基本物質」という当時の化学理解を漢語化した語である。
水素科学
waterstof / hydrogen
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「水」は水を、「素」は根本要素を意味する。waterstof の直訳であり、「水をなす基本物質」というラヴォワジエ以後の化学観を簡潔に示す。
窒素科学
stikstof / nitrogen
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「窒」はふさぐ・息を詰まらせる意、「素」は根本要素を表す。stikstof の「窒息させる要素」という意味を漢字二字で表現した翻訳語である。
炭素科学
koolstof / carbon
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「炭」は木炭・炭化物を指し、「素」は根本要素を意味する。koolstof の直訳的構成で、炭の本質的成分という理解を表した。
白金科学
platina / platinum
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「白金」は古くは銀を指す語でもあったが、榕菴はこれを再編して platinum の訳語に充てた。銀白色で貴い金属という外観的特徴を漢字で示した語である。
元素科学
grondstof / element
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「元」はもと・根源、「素」は基本要素を意味する。grondstof や element の根本成分という意味を、簡潔な漢語として再構成した。
酸化科学
oxidatie / oxidation
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「酸」は酸素・酸性概念を、「化」は変化を意味する。ラヴォワジエ的な「酸素を得て変化する」反応理解を簡潔に示す訳語である。
還元科学
reductie / reduction
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「還」はもとへ返る、「元」は根本の状態を意味する。物質が元の姿に戻るという旧来の化学理解をよく表した造語である。
溶解科学
oplossing / oplossen / solution
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「溶」は液の中でとけること、「解」はほどけて分かれることを意味する。物質が媒質中に分散して均一になる過程を、漢字の意味で精密に表した。
細胞科学
cel / cell
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「細」は微細さを、「胞」は袋・包みを意味する。顕微鏡下で観察される小さな区画・小室という cell の像を、視覚的に捉えた訳語である。
科学
geslacht / genus
オランダ語・ラテン語江戸後期宇田川榕菴
「属」はある類に属する・まとまることを意味する既存漢語を転用した。複数の近縁種をまとめる分類単位という genus の機能を、簡潔に表した訳語である。
珈琲文化
koffie / coffee
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
語源はオランダ語 koffie、さらに遡ればアラビア語 qahwa に由来する。「珈」「琲」は音を写しつつ、玉飾りのような漢字を選んで異国風の飲料を雅に表した当て字とみられる。
組合法律
partnership / association
英語・フランス語明治期
「組」は人や物を組み合わせること、「合」は合わせて一つになることを意味する。もともとの「仲間・一団」の語義が、明治期に西洋の団体・共同事業体の概念を受け止める語として拡張された。
信用経済
credit / trust
英語明治期
「信」は信じること、「用」は用いる・取り立てることを意味する。もともとの漢語が、明治以後に credit の訳語として用いられ、信じて取引に用いるという意味を強めた。
保健科学
health / public health
英語昭和前期
「保」はたもつ・守る、「健」はすこやかさを意味する。字義通り「健康を保つこと」であり、health や public health の実践的側面を表す日本語として発達した。
保険経済
insurance
英語明治初期
「保」は守る、「険」は危うさ・危険を意味する。危険から身を守るという漢語的な字義が、insurance の制度的意味に適合して採用された。
弁護法律
defense / advocacy
英語明治期
「弁」はことばでわきまえる・言い分を述べること、「護」はまもることを意味する。言論によって人を守るという字義が、近代法の defense 概念に重ねられた。
出版文化
publication / publishing
英語明治期
「出」は世に出すこと、「版」は印刷のための版木・版面を意味する。版を用いて世に出すという字義から、印刷物の刊行全般を表すようになった。
出席教育
attendance / presence
英語明治期
「出」はその場に出ること、「席」は座席・会合の場を意味する。会合や授業の場に出て席につくことから、公的な参加を示す語となった。
初歩教育
rudiments / elements
英語明治初期
「初」ははじめ、「歩」は一歩一歩進むことを意味する。文字通り「最初の一歩」から、学問や技術の手はじめ・入門段階を表すようになった。
現代文化
contemporary / modern / present age
英語明治期
「現」はあらわれて今ここにあること、「代」は時代・世代を意味する。字義どおり、目の前にあらわれている現在の時代を表す。
命令法律
command / order
英語明治期
「命」は言いつけ・天命・名づけること、「令」は命じることや法令を意味する。二字が重なり、権限をもつ者が相手に行為を求めることを表す。
制度社会
institution / system
英語明治期
「制」は定めること、規制すること、「度」はものさし・基準・法度を意味する。社会の行為を一定の基準で整える仕組みを表す。
空気科学
air / atmosphere
英語・フランス語・ドイツ語江戸後期〜明治期
「空」はから・空間、「気」は目に見えない気体や作用を意味する。空間を満たす気体という字義から、air の訳語として用いられた。
世界文化
world
英語明治期
仏教語では梵語 lokadhātu などの訳語として、時間を表す「世」と空間・境域を表す「界」を合わせた語とされる。近代には world の訳語として地理的・社会的意味が強まった。
本質哲学
essence / Wesen
英語・ドイツ語明治期
「本」は根本・もと、「質」は性質・中身を意味する。ものごとの根本にある性質、という字義から essence の訳語に適した。
条件哲学
condition
英語・フランス語明治期
「条」は一つ一つの項目・筋、「件」はくだん・事柄を意味する。個々の項目として示される事柄から、成立を左右する制約・前提を表すようになった。
適応科学
adaptation
英語明治期
「適」はかなう・ふさわしいこと、「応」はこたえることを意味する。環境や条件にふさわしく応じるという字義から adaptation の訳語になった。
実験科学
experiment
英語明治期
「実」は実際・事実、「験」はためして確かめることを意味する。実際に試して検証するという字義から experiment の訳語に用いられた。
観念論哲学
idealism
英語・ドイツ語・フランス語明治期
「観念」は心に思い描く内容・意識内容を表し、「論」は学説・立場を意味する。観念を根本原理とする学説という字義で idealism に対応した。
演説政治
speech / public address
英語明治初期福沢諭吉
「演」は広げて述べること、「説」は考えを説明することを意味する。人前で考えを展開して述べる行為を表す。
建築工学
architecture / building
英語明治期
「建」は立てること、「築」は土や石などを積み固めて造ることを意味する。建物を立て造る行為から、architecture 全般を表す語となった。
電信工学
telegraph
英語江戸末期〜明治初期
「電」は電気、「信」は知らせ・通信を意味する。電気によって信号や情報を送る仕組みを端的に表す。
鉄道工学
railway / railroad
英語明治初期
「鉄」は鉄製のレール、「道」は通路・交通路を意味する。鉄の路を走る交通機関という字義で railway / railroad に対応した。
機関工学
engine / organ / institution
英語明治期
「機」はからくり・仕組み、「関」は関わり・要所を意味する。特定の働きを担う仕掛けや組織を表す語として用いられた。
活動社会
activity / action
英語明治期
「活」は生き生きしていること、「動」は動くことを意味する。生命力をもって働き動くという字義から activity に対応した。
発展社会
development
英語明治期
「発」は開き出ること、「展」は広げることを意味する。内にある可能性が外へ開き広がるという字義で development に対応した。
発見科学
discovery
英語明治期
「発」はあらわれ出る・明らかにすること、「見」は見る・認識することを意味する。隠れていたものを見えるようにするという字義で discovery に対応した。
発明科学
invention
英語・フランス語明治期
「発」は開き明らかにすること、「明」は明らか・知恵を意味する。新しい考えを明らかにして形にすることから invention に対応した。
改良工学
improvement
英語明治期
「改」はあらためること、「良」はよいことを意味する。悪い点を改めて良くするという字義で improvement に対応した。
改革政治
reform
英語明治期
「改」はあらためること、「革」は皮をなめす意から転じて大きく改めることを意味する。制度を根本から改める語として reform に対応した。
解決社会
solution / resolution
英語明治期
「解」はほどく・分かること、「決」は決める・決着させることを意味する。絡んだ問題をほどいて結論を出すという字義で solution / resolution に対応した。
対象哲学
object / Gegenstand
英語・ドイツ語明治期
「対」は向かい合うこと、「象」はかたち・あらわれを意味する。主体に向かい合ってあらわれるものという字義で object に対応した。
認識哲学
cognition / Erkenntnis
英語・ドイツ語明治期
「認」は認める・見分けること、「識」は知る・識別することを意味する。はっきり知って弁別する働きを表す。
表現文化
expression / representation
英語・フランス語・ドイツ語明治期
「表」は外にあらわすこと、「現」はあらわれることを意味する。内にあるものを外に現すという字義で expression に対応した。
構成哲学
composition / structure / constitution
英語明治期
「構」は組み立てること、「成」は成り立つことを意味する。要素を組んで全体を成すという字義で composition / structure に対応した。
作用科学
action / operation / interaction
英語・フランス語明治期
「作」は働きかけること、「用」は働き・効用を意味する。何かが働いて効果を生むことを表す。
反応科学
reaction / response
英語明治期
「反」は返る・逆向き、「応」はこたえることを意味する。外からの作用に対して返ってくる働きという字義で reaction に対応した。
効率工学
efficiency
英語明治期〜大正期
「効」はききめ・成果、「率」は割合を意味する。成果の割合という字義で efficiency に対応した。
能率工学
efficiency
英語明治期〜大正期
「能」は能力・働き、「率」は割合を意味する。働きの割合、仕事の進み具合を表す。
標準工学
standard / criterion
英語明治期
「標」は目印・しるし、「準」はよりどころ・基準を意味する。判断や測定の目印となる基準を表す。
規格工学
standard / specification
英語明治期〜大正期
「規」はものさし・きまり、「格」は等級・格式・枠組みを意味する。物事を一定のきまりと枠に合わせる基準を表す。
制御工学
control
英語大正期
「制」はおさえる・定めること、「御」はあやつる・治めることを意味する。対象の動きを抑えながら意図通りに扱うことを表す。
管理経済
management / administration / control
英語明治期
「管」はつかさどる・取り扱うこと、「理」は筋道を立てて整えることを意味する。物事を担当し、秩序立てて処理することを表す。
統計経済
statistics
英語明治初期子安峻
「統」はまとめること、「計」は数える・はかることを意味する。多くの数量をまとめて計るという字義で statistics に対応した。
確率科学
probability
英語明治期〜昭和初期
「確」は確かさ、「率」は割合を意味する。起こりうる確かさの割合という字義で probability に対応した。
戸籍法律
family register / family registration
英語明治初期
「戸」は家ごとの単位、「籍」は帳簿・登録を意味する。家を単位として人々を記録した帳簿という字義から、近代の family register 制度を表す語となった。
会計経済
accounting
英語明治期
「会」は集め合わせること、「計」は数えはかることを意味する。収支や財産をまとめて数えるという字義から accounting に対応した。
規則法律
rule / regulation
英語明治期
「規」はきまり・手本、「則」はのっとるべき法則を意味する。従うべき決まりという字義で rule / regulation に対応した。
管轄法律
jurisdiction
英語明治期
「管」はつかさどること、「轄」は車軸を押さえる金具から転じて、しめくくって掌握することを意味する。一定範囲を取り仕切ることを表す。
裁判法律
trial / judgment / adjudication
英語明治期
「裁」はさばく・処理すること、「判」は見分けて決めることを意味する。物事をさばいて是非を決めるという字義で trial / judgment に対応した。
掲示文化
notice / posting
英語明治期
「掲」は高くかかげること、「示」は示すことを意味する。文書などを掲げて人々に見せることを表す。
区別哲学
distinction / classification
英語・フランス語明治期
「区」は区切る・分けること、「別」はわけることを意味する。違いに応じて分けるという字義で distinction / classification に対応した。
会社経済
company / corporation
英語明治期
「会」は集まること、「社」は仲間・結社を意味する。人々が集まって事業を営む団体という字義で company に対応した。
商社経済
trading company / commercial firm
英語明治初期
「商」はあきない・商売、「社」は結社・組織を意味する。商業を営む組織という字義で trading company に対応した。
商法法律
commercial law / mercantile law
英語明治期
「商」は商業・取引、「法」は法則・法律を意味する。商取引を規律する法律という字義で commercial law に対応した。
発売経済
sale / release / launch
英語明治期
「発」は出すこと、「売」はうることを意味する。市場に出して売り始めるという字義で sale / release / launch に対応した。
廃止政治
abolition / repeal / discontinuance
英語明治期
「廃」はすたれる・やめること、「止」はとどめることを意味する。続いていたものをやめて止めるという字義で abolition / repeal に対応した。
奉還政治
return / restitution / restoration
英語(対応語)江戸後期〜明治期
「奉」はうやうやしく差し上げること、「還」は返すことを意味する。目上に返し奉るという字義から、政治権限や所有を返上する語となった。
勤王政治
loyalism to the emperor / royalism
英語(対応語)古代〜幕末
「勤」はつとめ尽くすこと、「王」は君主・天子を意味する。君主のために力を尽くすという字義から、忠誠や王政支持の政治的意味を担った。
征伐政治
punitive expedition / subjugation
英語(対応語)古代〜明治期
「征」は遠くに出向いて討つこと、「伐」はうつ・攻めることを意味する。討伐遠征の字義から、処罰的な軍事行動を表す。
戦争政治
war
英語明治期
「戦」はたたかうこと、「争」はあらそうことを意味する。武力で争うことの総体という字義で war に対応した。
総督政治
governor-general / governor
英語古代〜近代
「総」はすべてをまとめること、「督」はみはる・統率することを意味する。全体を統率監督する官という字義で governor-general に対応した。
隊長政治
captain / commander
英語古代〜明治期
「隊」は列をなした集団、「長」はその長を意味する。隊を率いる者という字義で captain / commander に対応した。
号令政治
command / order / signal command
英語古代〜明治期
「号」は大声で告げること、「令」は命じることを意味する。声を発して命じることという字義で command / order に対応した。
平定政治
pacification / subjugation
英語(対応語)古代〜明治期
「平」はたいらかにすること、「定」はしずめて落ち着かせることを意味する。乱れた状況を平らかにして定めるという字義で pacification に近い。
兵端政治
outbreak of war / war trigger / casus belli
英語(対応語)明治初期
「兵」は軍事・戦い、「端」は端緒・はじまりを意味する。戦の始まりという字義から、戦争勃発のきっかけを表す。
同盟政治
alliance / union
英語・フランス語中世〜明治期
「同」はともに、「盟」は誓い・約束を意味する。ともに誓約して協力するという字義で alliance に対応した。
事実哲学
fact / truth
英語明治期
「事」は出来事・事柄、「実」はまこと・現実を意味する。実際に起こった事柄という字義から fact に対応した。
理解哲学
understanding / comprehension
英語明治期
「理」は筋道・ことわり、「解」はときほぐして分かることを意味する。物事の筋道を解き明かしてわかるという字義で understanding に対応した。
議論哲学
argument / discussion / debate
英語明治期
「議」ははかる・意見を述べること、「論」は道理を述べることを意味する。意見を出し合って論じることを表す。
疑惑社会
suspicion / doubt
英語明治期
「疑」はうたがうこと、「惑」は心が迷うことを意味する。疑いによって心が定まらない状態から、 suspicion / doubt を表す語となった。
思慮哲学
consideration / prudence / thought
英語明治期
「思」は考えること、「慮」は先々をはかることを意味する。よく考え、先を見通して配慮するという字義で prudence などに対応した。
条理法律
principle / reason / natural justice
英語明治期
「条」は筋道・条目、「理」はことわり・道理を意味する。物事の通るべき筋道という字義で principle / reason に対応した。
至当哲学
justifiable / proper / reasonable
英語明治期
「至」はこの上なく到ること、「当」はあたる・かなうことを意味する。もっとも妥当であるという字義で justifiable / proper に対応した。
詳細文化
detail / particulars
英語明治期
「詳」はくわしいこと、「細」はこまかなことを意味する。細部までくわしいという字義で detail に対応した。
説得社会
persuasion
英語明治期
「説」はときあかすこと、「得」は納得して受け入れることを意味する。よく説明して相手に得心させることを表す。
説諭法律
admonition / exhortation / persuasion
英語江戸末期〜明治期
「説」はとききかせること、「諭」はさとすことを意味する。道理を分かりやすく説いて改めさせるという字義で admonition に対応した。
懇願社会
entreaty / plea
英語明治期
「懇」はねんごろ・心を尽くすこと、「願」はのぞみ求めることを意味する。心をこめて願い求めるという字義で entreaty / plea に対応した。
断然社会
decisively / definitely / resolutely
英語明治期
「断」はきっぱりと切ること、「然」はそのような状態を表す。断ち切るように態度を明確にするという字義から decisively に対応した。
決定社会
decision / determination
英語明治期
「決」はきめる・断ずること、「定」は定めて落ち着かせることを意味する。物事をはっきり定めるという字義で decision に対応した。
決断社会
decision / definite decision / determination
英語明治期
「決」は決めること、「断」は断ち切ることを意味する。迷いやためらいを断ち切って決めるという字義で determination に対応した。
貨幣経済
money / currency / coin
英語明治初期
「貨」はたから・財貨、「幣」は通用する財物・貨幣を意味する。交換に用いられる財を表す字義から money / currency に対応した。
金穀経済
money and grain / goods and funds
英語(対応語)明治初期
「金」は金銭、「穀」は穀物を意味する。現金と米穀をまとめて示す語で、財貨全般にも広がった。
活計社会
livelihood / means of living
英語(対応語)古代〜明治期
「活」は生きること、「計」ははかる・営むことを意味する。生きるための手立てをはかるという字義で livelihood に対応した。
負債経済
debt / liability
英語明治期
「負」は背負う・負担すること、「債」は借りて返すべき金品を意味する。背負った返済義務という字義で debt / liability に対応した。
騰貴経済
rise in prices / appreciation
英語明治初期
「騰」ははね上がること、「貴」は値が高いことを意味する。価格が上へ跳ね上がるという字義で price rise や appreciation に対応した。
沸騰科学
boiling / boil
英語明治期
「沸」はわき立つこと、「騰」は上へあがることを意味する。液体がわき立ち、蒸気が上がるという字義で boiling に対応した。
救助社会
rescue / relief / aid
英語明治初期
「救」はすくう、「助」はたすけること。二字を重ねて、危難や困窮から人を助ける行為を明確に示す語となった。
任選政治
appointment / nomination / selection for office
英語明治初期
「任」は役目を負わせること、「選」はえらぶこと。職務を与えるために人を選ぶという字義から成る。
探索科学
search / exploration / investigation
英語江戸後期
「探」はさぐる、「索」は求めること。手がかりをたどって物事を探し求めるという字義で構成される。
周旋社会
mediation / good offices / brokerage
英語江戸後期
「周」はめぐる、「旋」もめぐる意を持つ。各所を回って事を取り運ぶことから、仲介や斡旋の意味へ展開した。
奮発文化
spirited effort / splurge / generous spending
英語室町後期
「奮」はふるいたつこと、「発」は起こる・起こすこと。勢いや気力を内から起こすという字義が核にある。
妨害法律
obstruction / interference
英語平安中期
「妨」はさまたげること、「害」はそこなうこと。進行や作用を邪魔し、損なうという意味を二字で強めている。
忘却哲学
forgetting / oblivion
英語平安初期
「忘」はわすれること、「却」はしりぞけること。記憶が退き去ってしまうという字義から、完全な忘れ去りを表す。
復古政治
restoration / return to the old order / reaction
英語江戸後期
「復」はもどること、「古」はいにしえ。古い制度や状態に立ち返る、またはそれを回復するという字義を持つ。
放蕩文化
dissipation / debauchery / licentiousness
英語奈良時代
「放」はほしいままにすること、「蕩」はみだれること。規律を離れてふるまいが乱れるという字義から成る。
脱走法律
escape / flight / desertion
英語江戸後期
「脱」はぬけること、「走」はにげること。拘束や包囲から抜けて走り去るという動きがそのまま字義になっている。
文化
I / me
英語江戸後期
もとは「しもべ」を意味する漢語。へりくだった自己表現として自称に転じ、のちに男性一般の一人称として広がった。
貴君文化
you / dear sir
英語江戸後期
「貴」は相手を尊ぶ接頭語、「君」は相手を呼ぶ語。相手を尊重しつつ呼びかける字義から成る。
我輩文化
I / we
英語室町後期
「我」はわれ、「輩」はともがら・仲間の意。もとは複数的な『われら』だが、のちに単数の自称にも転じた。
交際社会
association / social intercourse / friendship / dating
英語平安中期福沢諭吉
「交」はまじわること、「際」は出会うこと。互いに出会い、関係を取り結ぶという字義を持つ。
謝罪社会
apology
英語明治初期
「謝」はわびること、「罪」はあやまち・つみ。罪や過失を認めて詫びることを二字で明示する。
恐縮文化
obliged / sorry / grateful
英語幕末
「恐」はおそれること、「縮」はちぢむこと。恐れ入って身が縮むという身体感覚から、感謝や恐縮の気持ちへ展開した。
愚蒙哲学
ignorance / stupidity
英語平安初期
「愚」はおろか、「蒙」はくらい・道理がわからないこと。知恵が開けず暗い状態を重ねて表す。
憫然文化
pitiable / lamentable / pathetic
英語鎌倉中期
「憫」はあわれむこと、「然」はそのようなありさま。あわれみを誘う状態をそのまま形容する構成である。
怯怖哲学
fear / dread / timidity
英語不詳
「怯」はおびえる・ひるむこと、「怖」はこわがること。恐れによって心が縮こまり、尻込みする状態を重ねて表す。
学校教育
school
英語・フランス語明治初期
「学」は学ぶ・学問を意味し、「校」は木を交差させた囲い・場所の意から転じてまなびやを指す。古代中国の王莽が設置した儒学の「学」「校」に由来し、周礼の教育機関概念にも通じる古典漢語。
洋学教育
Western learning / Western studies
英語江戸後期
「洋」は西洋、「学」は学問。西洋由来の知識体系全体を、日本側から総括して呼ぶ語として成立した。
入塾教育
entering a private academy / enrollment in a cram school
英語明治期
「入」ははいること、「塾」は私的な教育の場。塾生となるためにその場へ加わることをそのまま示す。
集会社会
meeting / gathering / assembly
英語室町後期
「集」はあつまること、「会」は会すること。人々が一つの場所・目的のもとに集まる行為を重ねて示す。
娼婦社会
prostitute
英語江戸中期
「娼」は歌舞・色をもって客に仕える女を指し、「婦」は女性一般。行為や職能を抽象化した表現として構成された。
一般哲学
general / common / universal
英語平安中期
「一」はひとつにそろうこと、「般」は同じように行き渡ること。全体に共通するという字義をもつ。
開拓社会
cultivation / pioneering / development
英語江戸末期
「開」はひらくこと、「拓」は押し広げること。未利用の土地や未知の領域を切り開く動きを二字で表す。
解剖科学
anatomy / dissection / autopsy
オランダ語・英語江戸後期
「解」はほどく・切り分けること、「剖」は切り開くこと。身体の内側を開いて構造を明らかにする字義をそのまま表す。
伝染科学
contagion / infection
オランダ語・英語江戸後期
「伝」はつたわること、「染」はしみこみ移ること。他へうつり広がる現象を視覚的に示す構成である。
展覧文化
exhibition / display / viewing
英語江戸後期
「展」はひろげること、「覧」は見ること。物をひろげて目に触れさせるという字義から成る。
測量工学
survey / surveying / measurement
英語江戸後期
「測」ははかること、「量」は量や大きさを定めること。対象の広狭・高低・位置関係を測り定める意味を持つ。
形勢政治
situation / state of affairs
英語平安後期
「形」はありさま、「勢」はいきおい。物事の姿と力関係を合わせて捉える構成である。
迅速文化
rapid / quick / swift / prompt
英語江戸後期
「迅」はすばやいこと、「速」ははやいこと。意味の近い二字を重ね、非常な速さを強調する。
盛大文化
grand / magnificent / on a grand scale
英語江戸前期
「盛」はさかんなこと、「大」は大きいこと。規模と勢いの双方が充実しているさまを示す。
曖昧哲学
ambiguous / vague / obscure
英語平安後期
「曖」も「昧」も暗くてはっきりしない意をもつ。見通しの悪さを二字で重ね、意味や状態の不明瞭さを表す。
暗読教育
recitation / memorized reading
英語室町後期
「暗」はそらで覚えること、「読」は読むこと。書物を見ずに記憶だけで読み唱えるという字義から成る。
遺憾文化
regret / disappointment
英語室町中期
「遺」は残すこと、「憾」は心残りやうらみ。思いが残って満たされない感情を二字で表す。
偉業文化
great achievement / great work
英語明治初期
「偉」はすぐれて大きいこと、「業」は仕事・しわざ。大きくすぐれた仕事という字義がそのまま核になる。
一洗文化
sweep away / remove completely / clear up
英語室町後期
「一」はすっかり・ひと息にの意、「洗」はあらうこと。残らず洗い流して新しくするという字義を持つ。
委任法律
delegation / entrustment / mandate
英語南北朝期
「委」はゆだねること、「任」はまかせること。信頼にもとづき権限や事務を他者へ渡す意味を重ねて表す。
因循社会
conservatism / inertia / procrastination
英語平安初期
「因」はよること、「循」はしたがうこと。既存のものによりかかって従うという字義から、保守・停滞の意味へ展開した。
運輸工学
transport / transportation
英語奈良時代
「運」は運ぶこと、「輸」は送り届けること。移動と輸送の双方を含む、広い搬送概念を表す。
降伏政治
surrender / capitulation
英語平安後期
「降」はくだること、「伏」はふすこと。相手の前に屈して従う動作を字義として持ち、仏教語では調伏の意にも用いられた。
荷担社会
complicity / backing / abetting
英語室町後期
「荷」は荷物、「担」はになうこと。もとの『荷をかつぐ』意味から、他人の立場や行為を背負って助ける比喩へ展開した。
合祀文化
joint enshrinement / enshrinement together
英語江戸後期
「合」はあわせること、「祀」はまつること。複数の祭神や霊を一所にまとめて祭るという字義を持つ。
合併経済
combination / merger / amalgamation
英語明治初期
「合」はあわせること、「併」はならべて一つにすること。複数のものを結び合わせて統合する意味を強めた構成である。
贋造法律
forgery / counterfeit / imitation
英語江戸後期
「贋」はにせもの、「造」はつくること。本物に似せたものを作り出すという字義をそのまま表す。
間諜政治
spy / espionage
英語奈良時代
「間」はすきまからうかがうこと、「諜」はさぐり知らせること。密かに探って通報する役割を字義として持つ。
姦謀政治
evil plot / conspiracy
英語奈良時代
「姦」はよこしまなこと、「謀」ははかりごと。邪悪な企てという非難の意味を二字で重ねる。
簡易文化
simple / easy / simplified
英語不詳
「簡」は簡単であること、「易」はやさしいこと。複雑でなく扱いやすいさまを組み合わせて表す。
旧弊社会
old abuse / old evil / obsolete custom
英語平安中期
「旧」は古いこと、「弊」は害や悪い習わし。古くから続く悪弊をまとめて示す。
旧来文化
traditional / former / from old times
英語不詳
「旧」は古いこと、「来」はそれ以来続いてきたこと。以前から今に至る継続を含んだ語である。
究理科学
investigation of principles / natural philosophy
英語不詳
「究」はきわめること、「理」は道理・法則。世界の仕組みを深く追究するという字義から成る。
器械科学
instrument / apparatus
英語不詳
「器」はうつわ・道具、「械」は仕掛けや装置。用途を持つ道具・装置であることを示す。
期限法律
deadline / term / time limit
英語奈良時代
「期」は約束された時、「限」は区切り。決められた時の境目までという意味を表す。
欺謀法律
deceitful scheme / fraud / trickery
英語明治初期
「欺」はあざむくこと、「謀」はたくらみ。人を欺く目的をもった計略であることを明示する。
寄留法律
temporary residence / domicile registration
英語近代
「寄」は身を寄せること、「留」はとどまること。他所に仮に住み留まる状態を表す。
窃盗法律
theft / larceny
英語奈良時代
「窃」はひそかにぬすむこと、「盗」は盗み取ること。密かに他人の物を奪う行為を強調する。
会議政治
meeting / conference / deliberation
英語江戸中期
「会」は集まること、「議」は論じること。人々が集まって意見を交わし決める行為を示す。
会話文化
conversation / dialogue
英語明治期
「会」は互いに向き合うこと、「話」は話すこと。向かい合って言葉を交わす行為をそのまま示す。
確証法律
conclusive evidence / proof
英語明治初期
「確」はたしかであること、「証」はあかし。疑いを許さない証しという意味を持つ。
確定法律
determination / settlement / fixed decision
英語明治初期
「確」はたしかであること、「定」はさだめること。揺れのない状態に決める意味を重ねる。
鰥寡社会
widowers and widows
英語奈良時代
「鰥」は老いて妻のない男、「寡」は夫のない女。配偶者を失った男女を対で示す漢語である。
関係社会
relation / connection / relationship
英語室町後期
「関」はかかわること、「係」はつながること。複数のものが結びつき影響し合う状態を示す。
敬白文化
respectfully yours / respectfully submitted
英語不詳
「敬」はうやまうこと、「白」は申し述べること。敬意をこめて申し上げるという文語的な結びの表現である。
刑律法律
penal law / criminal code
英語鎌倉初期
「刑」はつみへの処罰、「律」は法のきまり。刑罰を定める法規をまとめて示す。
凶徒法律
villain / criminal / rebel
英語奈良時代
「凶」は邪悪・不吉、「徒」は仲間や一味。悪事をなす者どもという集団的ニュアンスを持つ。
教諭教育
instruction / teacher
英語奈良時代
「教」はおしえること、「諭」はさとすこと。単なる知識伝達でなく、理解へ導く含みを持つ。
協力社会
cooperation
英語明治初期
「協」は心や力を合わせること、「力」はちから。複数の人が力を一つにする状態を簡潔に示す。
月給経済
monthly salary / salary
英語室町後期
「月」は月単位、「給」は与える賃金。毎月定期的に支払う給与であることを明示する。
厳譴法律
severe reprimand / stern censure
英語江戸中期
「厳」はきびしいこと、「譴」はとがめること。重く厳格な非難を加える意味を持つ。
公然法律
openly / publicly / notorious
英語江戸中期
「公」はおおやけ、「然」はそのようなありさま。私的に隠されず、公の場にあらわれている状態を示す。
興廃政治
rise and fall / prosperity and decline
英語飛鳥時代
「興」はおこり盛んになること、「廃」はすたれ廃れること。発展と衰退を対にして示す。
巨細文化
details / particulars / large and small matters
英語平安中期
「巨」は大きいこと、「細」はこまかいこと。大小のすべて、または詳しい仔細を合わせて示す。
姑息社会
temporary expedient / stopgap
英語江戸初期
「姑」はしばらく、「息」は息をつくこと。ひとまずその場をしのぐために休息を取る意から、一時しのぎの意味になった。
誤謬哲学
error / fallacy
英語江戸後期
「誤」も「謬」もまちがいを意味し、二字を重ねて誤りの性質を強調する。
在館文化
being in a building / being present at an embassy or museum
英語近代
「在」はその場にあること、「館」は建物・公館・施設。館の中に在るという状態をそのまま示す。
祭典文化
festival rite / ceremonial festival
英語明治初期
「祭」はまつること、「典」は儀式のきまり。祭りを単なる催しでなく、形式を備えた典礼として示す。
在留社会
residence / stay / residing abroad
英語江戸前期
「在」はその場にあること、「留」はとどまること。一定の土地に住みとどまる状態を示す。
雑居社会
mixed residence / mixed occupancy / living together
英語鎌倉初期
「雑」はまじること、「居」は住むこと。異なる人や物が混在して住む状態を表す。
讒謗法律
slander / malicious abuse / defamation
英語室町前期
「讒」は事実を曲げておとしいれること、「謗」はそしること。悪意をもって他人を傷つける言葉を重ねて示す。
衆庶社会
the masses / common people
英語奈良時代
「衆」はおおぜいの人、「庶」はもろもろの人々。多数の一般人をまとめて指す漢語である。
重大文化
serious / grave / important
英語不詳
「重」は重いこと、「大」は大きいこと。負担・結果・規模の大きさを合わせて示す。
市街社会
town / city streets / urban district
英語江戸後期
「市」は市やまち、「街」は通り。商業と通行の場が重なった都市空間を表す。
事件法律
incident / case / event / matter
英語明治初期
「事」はことがら、「件」はひとつひとつの事項。ひとまとまりの出来事や事案を指す。
失策政治
blunder / misstep / bad policy
英語江戸後期
「失」はあやまること、「策」ははかりごと・政策。打つべき手を誤るという意味を含む。
実地教育
actual practice / on-site / field
英語室町後期
「実」はほんとう・現実、「地」は場所。現実に立脚した場所や実践の場を示す。
弱冠文化
twenty years old / youthful
英語奈良時代
『礼記』の『二十を弱と曰ひて冠す』に由来する。成人儀礼として冠をつける年齢を示す。
熟談社会
thorough discussion / settlement by discussion
英語安土桃山時代
「熟」は十分にこなれること、「談」は話し合うこと。よく話し合って結論を得るという意味を表す。
贖罪文化
atonement / expiation / redemption
英語平安中期
「贖」はあがなうこと、「罪」はつみ。罪に対して償いを差し出すという字義を持つ。
慎謹文化
prudence / caution / circumspection
英語不詳
「慎」も「謹」もつつしむ意を持ち、重ねることで注意深く節度ある態度を強めて表す。
神策政治
brilliant strategy / divine plan
英語明治初期
「神」は不思議で優れたこと、「策」ははかりごと。人智を超えるほど巧みな計略という意味を持つ。
仁恤社会
benevolent relief / compassionate care
英語平安初期
「仁」は仁愛、「恤」はめぐみあわれむこと。徳の心による救いと配慮を一語で表す。
潜居社会
living in seclusion / hiding out
英語江戸後期
「潜」はひそむこと、「居」は住むこと。人目を避けて住みつく状態を表す。
側微社会
humble / obscure
英語不明
「側」はかたわら・卑しい意、「微」はかすか・低い意。合わせて卑賤で目立たない身の上を表す。
即刻文化
immediately / at once
英語鎌倉初期
「即」はその場ですぐに、「刻」は時のきざみ。時間を置かないことを字面どおりに示す。
存意社会
intention / view / thought
英語江戸後期
「存」は心にたもつこと、「意」は考え。胸中に抱いている考えや意向を表す。
怠慢社会
neglect / laziness / dereliction
英語奈良時代
「怠」はおこたること、「慢」はなおざりにすること。務めを緩めて放置する意味を重ねる。
懦弱社会
cowardly / weak-willed / feeble
英語平安中期
「懦」は気が弱いこと、「弱」はよわいこと。内面的な脆さを重ねて表す。
脱籍法律
removal from a register / withdrawal from membership
英語明治初期
「脱」はぬけること、「籍」は名を記した台帳。登録や所属から外れることを表す。
談判法律
negotiation / settlement talk
英語明治初期
「談」は話すこと、「判」はさばく・決めること。話し合いでけりをつける含みがある。
断滅哲学
annihilation / extinction
英語平安初期
「断」は断ち切ること、「滅」はほろびること。連続を断って完全に消える意を強める。
注意教育
attention / care / caution
英語幕末
「注」はそそぐ・向けること、「意」は心。心をひとつの対象に向ける動きを表す。
遅刻教育
lateness / being late
英語幕末
「遅」はおくれること、「刻」は時刻。定められた時間に及ばないことを明快に示す。
沈吟文化
meditation / brooding / murmuring
英語奈良時代
「沈」は深くしずむこと、「吟」は口ずさむこと。思いが内に沈みつつ声になる気配を含む。
低首文化
bowing one's head / submission
英語不明
「低」はひくくすること、「首」はこうべ。頭を垂れて従順・恭敬を示す字面である。
碇泊工学
anchorage / anchoring
英語幕末
「碇」はいかり、「泊」はとまること。錨を下ろして船を留める状態をそのまま表す。
伝習教育
learning by instruction / training
英語奈良時代
「伝」は伝えること、「習」はならうこと。教えを受けて学び、それをまた伝える循環を示す。
伝聞法律
hearsay / report
英語平安後期
「伝」は伝わること、「聞」は聞くこと。自分が直接見ず、人から伝わって耳に入ることを表す。
当然哲学
natural / proper / self-evident
英語大正期
「当」はあたる・ふさわしいこと、「然」はそのようであること。道理にかなってそうあるべき状態を示す。
登庸政治
appointment / recruitment of talent
英語平安中期
「登」は引き上げること、「庸」は用いること。人を高い地位に上げて用いる意味を表す。
廃疾科学
permanent disability / incurable disability
英語奈良時代
「廃」は損なわれて用をなさないこと、「疾」はやまい。身体機能が損なわれた状態を表す。
方今文化
at present / current times
英語奈良時代
「方」はまさにその時、「今」はいま。現在という時点を漢語らしく引き締めて表す。
報知文化
notice / notification / report
英語不明
「報」は知らせること、「知」は知ること。知らせて相手に知覚させる行為を表す。
莫大文化
enormous / vast / immense
英語不明
「これより大なるは莫なし」の意に由来するとされ、極端な大きさを誇張的に示す。
舶来文化
imported / brought from abroad
英語江戸後期
「舶」は大きな船、「来」は来ること。船で外国からもたらされるものを示す。
罰金法律
fine / monetary penalty
英語室町時代
「罰」は罰すること、「金」は金銭。金をもって制裁を与える意味を端的に示す。
抜群文化
outstanding / preeminent
英語不明
群れを「抜く」ことから、他より抜きんでている状態を示す。
抜剣政治
drawing a sword / unsheathing
英語明治後期
「抜」は引き抜くこと、「剣」はつるぎ。武器を実際に構える動作をそのまま示す。
判然哲学
clear / distinct / definite
英語江戸中期
「判」はわける・見分けること、「然」はそのようであること。見分けがつくほど明らかな状態を表す。
百事文化
all things / every matter
英語平安後期
「百」は多数のたとえ、「事」はことがら。無数の事柄をひとまとめに示す。
比隣社会
neighboring houses / neighborhood
英語江戸中期
「比」は並ぶこと、「隣」はとなり。家が並び接している状態を表す。
符号科学
code / symbol / sign
英語江戸後期
「符」はしるし札、「号」は名づけ・しるし。対応関係を示す印を合わせた語。
伏罪法律
submission to punishment / acknowledging guilt
英語明治初期
「伏」は従う・ひれ伏すこと、「罪」はつみ。罪に服して身を低くする意を含む。
浮説社会
rumor / baseless story
英語平安中期
「浮」はうつろで根拠のないこと、「説」は言い分や話。地に足のつかない言説を表す。
附属社会
attached / belonging to / affiliated
英語飛鳥時代
「附」は付ける・従うこと、「属」はぞくすること。主たるものに結びついて属する関係を表す。
腐敗科学
putrefaction / corruption
英語奈良時代
「腐」はくさること、「敗」はくずれること。内側から崩れてだめになる状態を強めて示す。
無頼社会
lawless / outlaw / disreputable
英語不明
「頼るところが無い」の意から、寄る辺なく放埒な状態や人を指すようになった。
文明開化文化
civilization and enlightenment / modernization
英語明治初期福沢諭吉
「文明」と「開化」を重ね、知と生活が開け進歩する過程を強調した語。
弊害社会
evil effect / harmful consequence
英語幕末
「弊」はたるみから生じる害、「害」はそこなうこと。仕組みのゆるみが生む悪影響を表す。
僻論哲学
biased argument / unsound opinion
英語幕末
「僻」はひがむ・かたよること、「論」は議論。偏った論を否定的に示す。
弁解法律
excuse / explanation / self-justification
英語不明
「弁」はわけて述べること、「解」はほどくこと。もつれた事情を言葉でほどく意。
変革政治
reform / transformation / change
英語幕末
「変」は変えること、「革」はあらためること。大きく改める意味を重ねている。
偏頗哲学
partiality / unfair bias
英語不明
「偏」も「頗」もかたよりを示す字で、偏りを重ねて不公正さを強める。
勉励教育
diligence / industrious effort
英語平安前期
「勉」はつとめること、「励」ははげますこと。努力を重ねる姿勢を表す。
勃起科学
erection / abrupt rising
英語江戸後期
「勃」は急に勢いづくこと、「起」は起き上がること。急激な立ち上がりを示す。
捕亡法律
apprehension of fugitives / pursuit of criminals
英語奈良時代
「捕」はとらえること、「亡」は逃げる者。逃亡者を追捕する行為を表す。
本月文化
this month / the current month
英語明治初期
「本」は当の・この、「月」はつき。現在問題にしている月を指す。
枚挙哲学
enumeration / listing one by one
英語鎌倉後期
「枚」は一つ一つ、「挙」はあげること。個々の項目を順に取り上げる意。
埋葬文化
burial / interment
英語奈良時代
「埋」はうめること、「葬」はほうむること。死者を土中に納める行為をそのまま示す。
妄説哲学
false doctrine / baseless theory
英語平安後期
「妄」はみだりででたらめなこと、「説」は説や意見。根拠のない説を表す。
落成工学
completion of construction / completion
英語不明
「落」は物事が最終段階まで落ち着くこと、「成」は成ること。工事の完成を示す。
乱暴社会
violence / roughness / reckless behavior
英語不明
「乱」はみだれること、「暴」はあらいこと。秩序を外れた荒っぽさを示す。
了解哲学
understanding / acknowledgment
ドイツ語・英語近代
「了」はわかり尽くすこと、「解」はときほぐすこと。事情を飲み込む意を表す。
履歴社会
personal history / record / background
英語近代
「履」はふむ・経ること、「歴」はへめぐること。通ってきた道筋を示す。
釐正法律
revision / rectification / correction
英語江戸中期
「釐」はおさめる・ただすこと、「正」は正すこと。整序と是正を重ねる語。
流民社会
displaced people / wandering people
英語不明
「流」は流れさまようこと、「民」はたみ。定住地を失った人々を表す。
列席文化
attendance / presence at a ceremony
英語近代
「列」はつらなること、「席」は座席。席に連なって加わる意を表す。
陋習社会
bad custom / degrading practice
英語江戸中期
「陋」はせまく卑しいこと、「習」は習わし。卑しいならわしを表す。
露宿社会
sleeping outdoors / camping out
英語不明
「露」は露天の意、「宿」はやどること。屋外で宿る状態をそのまま示す。
論破哲学
refutation / defeating an argument
英語近代
「論」は議論、「破」はやぶること。議論で相手の説を打ち破る意。
和親政治
amity / peaceful relations
英語平安後期
「和」はやわらぐこと、「親」はしたしむこと。争いを避けて親和する状態を表す。
応接文化
receiving guests / dealing with visitors
英語不明
「応」はこたえること、「接」は接すること。相手に応じて応待する意を表す。
家庭社会
home
英語近代
「家」は住まい・家族、「庭」はその内側の場。住居と生活空間をあわせて、身近な暮らしの単位を表す。
健康科学
health
英語幕末・明治初期福沢諭吉
「健」はすこやかで強いこと、「康」はやすらかで無事なこと。丈夫で安定した心身の状態を表す。
競争経済
competition / Konkurrenz
英語・ドイツ語近代
「競」も「争」もきそうことを表す字で、力比べや張り合いを重ねて表現している。
版権法律
copyright
英語幕末・明治期
「版」は印刷の版木や出版を、「権」は権利を表す。書物や図版を版にして世に出す権利という理解が込められている。
政表政治
statistics
英語幕末岡本博卿
「政」はまつりごと・国家統治、「表」はあらわすこと・表にまとめること。国家のありさまを表で示す学という理解を込めた訳語である。
観察科学
observation
英語明治期
「観」はよく見る・眺める意、「察」は明らかにする・詳しく調べる意。智慧によって対象を見極めるという仏教的字義が西洋科学の observation 概念に適合し転用された。
一致哲学
agreement
英語明治期
「一」は統一・同一を示し、「致」は「至らしめる・引き寄せる」を意味する古典漢語の動詞。「一致」は「一つの状態に至らせる・ぴったり合う」の意を表す。
口調文化
tone
英語明治期
「口」は口・言葉を、「調」は整ったリズム・調子を意味し、「言葉を口に出す際の調子」を表す。英語 tone はギリシャ語 tonos(張り・音程)→ラテン語 tonus を経て「声の調子・話し方」を意味するようになった。
科学
pole
英語・オランダ語江戸末期〜明治初期
形声文字。「木」(棟木)+音符「亟」から成り、もとは建物の棟木を意味し「きわみ」へ転義。英語 pole はギリシャ語 pólos(天球の回転軸)→ラテン語 polus(軸の端)を経た語で、両語の「きわみ・軸端」という字義が合致した。
官能哲学
faculty
英語明治初期西周
「官」は感覚器官・職能・担い手を意味し、「能」は「できる・はたらき・能力」を意味する。合わせて「感覚器官の働き・心的能力」を字義とする。英語 faculty はラテン語 facultas(能力・容易さ)に由来する。
驚愕哲学
astonishment
英語古典漢語由来
「驚」は馬+音符「敬」からなる形声字で、馬が突然驚いて跳ね上がる様を表し「おどろく」を意味する。「愕」はりっしんべん(心)+「咢」からなり、突然の衝撃に心が止まるような強い驚きを表す。両字を重ねて「ひどく驚く」の意を強調した語。
親和科学
affinity
英語・オランダ語(affiniteit)江戸後期宇田川榕菴
「親」は人が近づき親しむことを意味し、「和」は争いなく調和・なごむことを意味する。合わせて「互いになじみ調和する」という字義となる。英語 affinity はラテン語 affinitas(境界を共にすること・縁戚関係)に由来し、ad-(~へ)+ finis(境界・端)から成り、「境界を接する→近さ・親しさ」を意味する。
年齢社会
age
英語明治期
「年」は穀物の一年の実りから転じて年月・歳月を表し、「齢」は歯(歯列の変化で年齢を判断した古代の慣習)に由来する形声字で生きた年数を意味する。両字とも古典漢語に存在し、それぞれ「よわい」に相当する。
流体科学
fluid
英語・オランダ語(fluide / vloeistof)江戸後期
「流」は水がながれること、「体」は物質・からだ・形あるものを表す。合わせて「流れる性質をもつ物体」の意。英語fluidはラテン語fluere(流れる)に由来する。
聴学科学
acoustics / auditory science
英語明治期以降
「聴」は耳で聞くこと、注意して音を受け取ることを表し、「学」は体系的な研究を意味する。合わせて「聞く働きについての学問」の意。
音論文化
phonology
英語昭和期以降
「音」は言語音・声の響き、「論」は体系的に論じることを表す。英語phonologyはギリシア語phone(声・音)と-logy(学問)に由来する。
無欲哲学
disinterestedness / unselfishness / desirelessness
英語平安期以前
「無」はないこと、「欲」はほしがる心・欲望を表す。合わせて「欲がない」「貪らない」の意。disinterestedness は interest(利害・関心)を離れた状態をいう。
事業経済
business / enterprise / undertaking
英語明治初期
「事」は行うべき仕事・ことがら、「業」は継続的な仕事・営みを表す。business は古英語の busy に由来し、活動・商売・会社などへ意味が広がった。
万物哲学
all things / all creation / universe
英語・ラテン語古典漢語由来
「万」は非常に多い数、「物」は存在するもの・事物を表す。合わせて「あらゆる存在」の意。universe はラテン語 universum(一つにまとめられたもの)に由来する。
布施文化
dāna
サンスクリット語古代仏教漢訳
「布」は広く行き渡らせること、「施」はほどこし与えることを表す。dāna はサンスクリット語で「与えること・贈与・施し」を意味する。
天使文化
angel
英語幕末〜明治初期福沢諭吉
「天」は天上・神の領域、「使」は使者を表す。angel はギリシア語 angelos(使者)に由来し、神の意志を伝える霊的存在を指す。
角度科学
angle
英語明治初期
「角」は二線・二面の交わりや角、「度」は測る基準・程度を表す。合わせて「角の大きさを測ったもの」の意。angle はラテン語 angulus(角)に由来する。
適用法律
apply / application
英語明治初期
「適」はかなう・あてはまる、「用」はもちいること。apply はラテン語 applicare(近づける・あてる)に由来する。
位置科学
position
英語江戸後期〜明治期
「位」は占める場所・地位、「置」はおくこと。position はラテン語 positio(置くこと・配置)に由来する。
昇天文化
ascension
英語古典漢語由来・明治初期西周
「昇」は上へのぼること、「天」は天上を表す。ascension はラテン語 ascendere(のぼる)に由来する。
天文科学
astronomy
英語・オランダ語江戸後期
「天」は空・宇宙、「文」は模様・現象・記録を表す。astronomy はギリシア語 astron(星)と nomos(法則)に由来する。
大気科学
atmosphere
英語明治期
「大」は広大なもの、「気」は空気・気体を表す。atmosphere はギリシア語 atmos(蒸気)と sphaira(球)に由来する。
付属工学
attached / accessory / attachment
英語明治期
「付」はつくこと、「属」は従い属すること。accessory はラテン語 accedere(近づく・加わる)に由来する。
引力科学
gravity / attraction
英語江戸後期〜明治期
「引」は引き寄せること、「力」は物体に作用するはたらき。gravity はラテン語 gravis(重い)に由来する。
性質科学
quality / property / nature
英語・ラテン語江戸後期宇田川榕菴
「性」は生まれつきのあり方、「質」は中身・本体を表す。quality はラテン語 qualitas(どのようであるか)に由来する。
化身文化
incarnation
英語・サンスクリット語仏教漢訳由来・明治期
「化」は姿を変えること、「身」は身体を表す。incarnation はラテン語 caro(肉)に由来し、肉体を取ることを意味する。
利用経済
use / utilization
英語明治初期
「利」は役に立つこと・利益、「用」はもちいること。utilization はラテン語 utilis(役に立つ)に由来する。
単元教育
axiom / unit
英語・ドイツ語明治初期西周
「単」はひとつ、「元」は根本・もとを表す。unit はラテン語 unus(一つ)に、axiom はギリシア語 axiōma(当然と認められるもの)に由来する。
流刑法律
exile / banishment
英語・フランス語古代法制由来・明治期
「流」は本拠から遠くへ流すこと、「刑」は刑罰を表す。exile はラテン語 exilium(追放)に由来する。
切手文化
postage stamp / stamp
英語明治初期前島密
「切手」は切符手形の略とされ、一定の権利や支払いを示す証票を意味した。stamp は押印・印紙・切手を表す英語で、postage stamp は郵便料金前納証票をいう。
会場文化
venue / hall
英語中世〜明治期
「会」は人が集まること、「場」は場所を表す。venue はラテン語 venire(来る)に由来し、人が集まる場所を意味する。
本草学科学
materia medica / pharmacognosy / herbal studies
ラテン語・英語・中国語古代中国由来・江戸期
「本草」は薬用となる草木、広くは薬用の動植鉱物を表し、「学」は体系的研究を意味する。materia medica はラテン語で「医薬の材料」をいう。
子孫社会
descendant / posterity / offspring
英語古典漢語由来
「子」はこども、「孫」はまご・後代の血縁を表す。descendant はラテン語 descendere(下る・由来する)に由来する。
塩酸科学
hydrochloric acid
英語江戸後期宇田川榕菴
「塩」は塩化物・食塩に関わる成分、「酸」は酸性物質を表す。hydrochloric は水素 hydro- と塩素 chlor- に由来し、HCl の酸を意味する。
基督文化
Christ
英語・ギリシア語・ラテン語キリシタン期〜明治期
「基督」は Christ の音を漢字で写した表記。Christ はギリシア語 Christos(油注がれた者)に由来し、ヘブライ語 Messiah(メシア)の訳語にあたる。
通用経済
currency / circulation / general use
英語古典漢語由来・明治期
「通」は行き渡ること、「用」は用いられること。currency はラテン語 currere(走る・流れる)に由来し、流通・通用・現行性を表す。
医術科学
medicine / medical art
英語古代漢語由来
「医」は病を治すこと・医者、「術」は技法を表す。medicine はラテン語 medicina(治療の技)に由来する。
外科科学
surgery
英語中世〜近代医学
「外」は身体の外部、「科」は部門を表す。surgery はギリシア語 cheir(手)と ergon(仕事)に由来し、「手で行う技」を意味する。
伝染病科学
contagious disease / communicable disease
英語江戸後期
「伝」は伝わること、「染」は病や毒がうつること、「病」はやまいを表す。contagious はラテン語 contagio(接触・感染)に由来する。
生理学科学
physiology
英語明治初期西周
「生」は生命、「理」は法則・すじみち、「学」は研究を表す。physiology はギリシア語 physis(自然・本性)と logos(学)に由来する。
心理学哲学
psychology / mental philosophy
英語明治初期西周
「心」は精神・意識、「理」は法則・すじみち、「学」は研究を表す。psychology はギリシア語 psyche(魂・心)と logos(学)に由来する。
体魄科学
body / physique / corporeal form
英語漢語由来・明治期
「体」は身体、「魄」は魂に対する肉体的生命・形ある身を表す。body は古英語 bodig に、physique はギリシア語 physis(自然・身体的性質)に由来する。
血属法律
consanguinity / blood relationship
英語明治期
「血」は血縁・血筋、「属」はつながり属することを表す。consanguinity はラテン語 con-(共に)と sanguis(血)に由来する。
配偶法律
spouse / mate / partner
英語古典漢語由来・明治期
「配」は組み合わせる・つれあわせること、「偶」は対になるものを表す。spouse はラテン語 sponsus(約束された者)に由来する。
人類社会
mankind / humankind / human race
英語古典漢語由来・明治期
「人」は人間、「類」は同じ種類・仲間を表す。mankind は古英語系の man と kind に由来し、現代では humankind や human race も用いられる。
生産経済
production
英語明治初期
「生」は生み出すこと、「産」は産み出されたもの・財を表す。production はラテン語 producere(前へ導き出す・作り出す)に由来する。
消費経済
consumption
英語明治初期
「消」は消える・なくなること、「費」はついやすこと。consumption はラテン語 consumere(使い尽くす)に由来する。
利息経済
interest
英語古典漢語由来・明治期
「利」はもうけ・利益、「息」は増えるものを表す。interest はラテン語 interesse(関係する・差額がある)に由来し、金銭貸借の対価を意味するようになった。
不可産経済
unproductive
英語明治初期西周
「不」「可」はできない・可能でないこと、「産」は生み出すことを表す。unproductive は produce(生産する)に否定接頭辞 un- が付いた語。
技芸文化
art / craft / skill
英語中世漢語由来・明治期
「技」はわざ・技能、「芸」は芸能・学芸を表す。craft は古英語 cræft(力・技能)に由来し、手仕事や熟練を意味する。
農政経済
agricultural policy / agricultural administration
英語江戸期〜明治期
「農」は農業、「政」は政治・行政を表す。policy はギリシア語 polis(都市国家)に由来し、統治上の方針を意味する。
勧農経済
encouragement of agriculture / agricultural promotion
英語古代律令期〜明治期
「勧」はすすめ励ますこと、「農」は農業を表す。promotion はラテン語 promovere(前へ進める)に由来する。
商政経済
commercial policy / commerce administration
英語明治期
「商」は商業・売買、「政」は政治・行政を表す。commercial はラテン語 commercium(交易)に由来する。
工政工学
industrial policy / industry administration
英語明治期
「工」は工作・工業・技術、「政」は政治・行政を表す。industrial はラテン語 industria(勤勉・活動)に由来する。
貨殖経済
wealth accumulation / profit-making
英語古典漢語由来
「貨」は財貨・金銭、「殖」は増やすことを表す。wealth は古英語 weal(富・幸福)に由来する。
富国政治
national enrichment / wealthy country
英語江戸期〜明治期
「富」は豊かさ・財力、「国」は国家を表す。enrichment は rich(富んだ)に由来し、豊かにすることを意味する。
学問教育
learning / scholarship / science
英語古代漢語由来・明治期
「学」はまなぶこと、「問」は問い究めること。scholarship は学者的研究、science はラテン語 scientia(知識)に由来する。
学術教育
learning / arts and sciences / scholarship
英語明治期
「学」は学問、「術」は技法・専門技術を表す。arts and sciences は自由学芸と科学的知識を含む広い学術領域をいう。
詩学文化
poetics
英語・ギリシア語江戸後期〜明治初期西周
「詩」は韻文・詩歌、「学」は研究を表す。poetics はギリシア語 poiētikē(制作の技術)に由来する。
音楽文化
music
英語古典漢語由来・明治期
「音」は声や響き、「楽」は楽器や楽しみを表す。music はギリシア語 mousikē(ムーサの技芸)に由来する。
正史文化
official history / authorized history
英語古典漢語由来
「正」は正式・正統、「史」は歴史記録を表す。official history は公的機関が編んだ、または承認した歴史をいう。
年表文化
chronological table / timeline
英語中世漢語由来・明治初期西周
「年」は年次、「表」は項目を並べ示す表を表す。chronological はギリシア語 chronos(時間)に由来する。
編年史文化
chronicle / annals
英語明治初期西周
「編年」は年次に従って編むこと、「史」は歴史記録。chronicle はギリシア語 chronos(時間)に由来する。
万国史文化
world history / universal history
英語明治初期
「万国」は多くの国・世界諸国、「史」は歴史を表す。world history は国境を越えた歴史過程を扱う分野をいう。
古伝文化
ancient tradition / legend
英語古典漢語由来
「古」は古い時代、「伝」は伝えること・言い伝えを表す。tradition はラテン語 tradere(引き渡す)に由来する。
輓近史文化
modern history / recent history
英語明治期
「輓近」は近ごろ・近代、「史」は歴史を表す。modern はラテン語 modo(今)に由来する。
中世文化
Middle Ages / medieval period
英語明治期
「中」は中間、「世」は時代を表す。medieval はラテン語 medium aevum(中間の時代)に由来する。
新聞文化
newspaper / news
英語幕末〜明治期
「新」は新しいこと、「聞」は知らせ・ニュースを表す。newspaper は news(知らせ)と paper(紙)から成る。
印刷文化
printing
英語明治期
「印」はしるしを押すこと、「刷」はすり写すこと。printing は print(押して写す)に由来する。
活字文化
type / movable type
英語近世〜明治期
「活」は動かして組み替えられること、「字」は文字を表す。movable type は自由に組み直せる印刷用字型をいう。
書式文化
form / format / style
英語古典漢語由来・明治期
「書」は文書、「式」は一定の型・方式を表す。format はラテン語 forma(形)に由来する。
句法文化
syntax / phrase construction
英語室町期〜明治期
「句」は語句・文のまとまり、「法」は規則を表す。syntax はギリシア語 syntaxis(配列)に由来する。
語法文化
grammar / usage
英語江戸後期〜明治期
「語」はことば、「法」は規則・方法を表す。usage は use(用いること)に由来し、慣用的な語の使い方をいう。
国語教育
national language / Japanese language
英語古典漢語由来・明治期
「国」は国家・国民、「語」は言語を表す。national language は国家や国民共同体を代表する言語をいう。
音字文化
phonetic letter / letter
英語明治初期西周
「音」は音声、「字」は文字を表す。phonetic はギリシア語 phone(声・音)に由来する。
母音文化
vowel
英語明治初期西周
「母」は音節を支える中心音の比喩、「音」は言語音を表す。vowel はラテン語 vocalis(声のある)に由来する。
子音文化
consonant
英語明治初期西周
「子」は母音に従属して音節を作る音の比喩、「音」は言語音を表す。consonant はラテン語 consonare(共に響く)に由来する。
物理学科学
physics
英語明治期
「物理」は物の理法、「学」は体系的研究。physics はギリシア語 physis(自然)に由来する。
格物学科学
natural philosophy / physics
英語江戸後期〜明治初期
「格物」は物に至って理を究めること。natural philosophy は近代以前の自然研究の総称。
窮理学科学
natural philosophy / physics
英語江戸後期〜明治初期
「窮理」は理をきわめること。natural philosophy は自然界の原理を扱う旧称。
舎密科学
chemie / chemistry
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
「舎密」は chemie の音を漢字で写したもの。chemistry は alchemy を経て物質変化を扱う学問を指す。
化学力科学
chemical force
英語江戸後期宇田川榕菴
「化学」は物質変化の学、「力」は作用。chemical force は化学的相互作用をいう。
親和力科学
chemical affinity
英語・オランダ語江戸後期宇田川榕菴
「親和」は互いに親しみ和すること、「力」は作用。affinity はラテン語 affinitas(近接・縁)に由来する。
元質科学
element / simple substance
英語・オランダ語江戸後期宇田川榕菴
「元」は根本、「質」は物質・本体。element はラテン語 elementum(基本要素)に由来する。
分解科学
decomposition / analysis
英語江戸後期宇田川榕菴
「分」は分けること、「解」はほどくこと。decomposition は composition(組成)を解く意。
蒸留水科学
distilled water
英語江戸後期宇田川榕菴
「蒸留」は液体を蒸発・凝縮して精製すること。distilled はラテン語 stillare(滴る)に由来する。
科学
acid
英語・オランダ語江戸後期宇田川榕菴
「酸」はすっぱい味を表す漢字。acid はラテン語 acidus(すっぱい)に由来する。
硝酸科学
nitric acid
英語江戸後期宇田川榕菴
「硝」は硝石、「酸」は酸性物質。nitric は nitre(硝石)に由来する。
硫酸科学
sulfuric acid
英語江戸後期宇田川榕菴
「硫」は硫黄、「酸」は酸性物質。sulfuric は sulfur(硫黄)に由来する。
塩素科学
chlorine
英語・オランダ語江戸後期宇田川榕菴
「塩」は塩化物との関係、「素」は元素。chlorine はギリシア語 chloros(黄緑色)に由来する。
弗素科学
fluorine
英語明治期
「弗」は fluoro- の音を写した字、「素」は元素。fluorine はラテン語 fluere(流れる)に由来する。
臭素科学
bromine
英語明治期
「臭」はにおい、「素」は元素。bromine はギリシア語 bromos(悪臭)に由来する。
沃素科学
iodine
英語明治期
「沃」は iodine の旧音写に用いられた字、「素」は元素。iodine はギリシア語 ioeides(すみれ色)に由来する。
科学
phosphorus
英語・オランダ語江戸後期宇田川榕菴
「燐」は鬼火・光る火を連想させる字。phosphorus はギリシア語 phosphoros(光を運ぶもの)に由来する。
電気科学
electricity
英語・オランダ語江戸後期〜明治期
「電」はいなずま、「気」は作用・エネルギー。electricity はギリシア語 elektron(琥珀)に由来する。
電論科学
electricity / theory of electricity
英語明治初期西周
「電」は電気、「論」は理論・論究。theory of electricity は電気現象の理論的研究をいう。
雷学科学
meteorology / atmospheric electricity
英語明治初期西周
「雷」はかみなり、「学」は研究。atmospheric electricity は大気中の電気現象をいう。
磁論科学
magnetism / theory of magnetism
英語明治初期西周
「磁」は磁石・磁気、「論」は理論。magnetism は磁鉄鉱産地 Magnesia に由来するとされる。
光論科学
optics / theory of light
英語明治初期西周
「光」はひかり、「論」は理論・論究。optics はギリシア語 optikos(見ることに関する)に由来する。
動学科学
dynamics
英語明治初期西周
「動」は動くこと、「学」は研究。dynamics はギリシア語 dynamis(力)に由来する。
静学科学
statics
英語明治初期西周
「静」は静止・安定、「学」は研究。statics はギリシア語 statikos(静止させる)に由来する。
微分科学
differentiation / differential
英語明治期
「微」はきわめて小さいこと、「分」は分けること。differential はラテン語 differre(異なる)に由来する。
積分科学
integration / integral
英語明治期
「積」は積み重ねること、「分」は分けた量。integration はラテン語 integer(完全なもの)に由来する。
幾何学科学
geometry
英語江戸後期〜明治期
「幾何」は geometry の音訳的漢語として受容された語。「学」は研究。geometry はギリシア語 geōmetria(土地測量)に由来する。
算術科学
arithmetic
英語古典漢語由来・明治期
「算」は数えること、「術」は技法。arithmetic はギリシア語 arithmos(数)に由来する。
天文学科学
astronomy
英語江戸後期〜明治期
「天文」は天体現象、「学」は研究。astronomy はギリシア語 astron(星)と nomos(法則)に由来する。
地理学科学
geography
英語明治期
「地理」は土地の理・地域のあり方、「学」は研究。geography はギリシア語 geōgraphia(大地を記述すること)に由来する。
地質学科学
geology
英語明治期
「地質」は土地・地層の性質、「学」は研究。geology はギリシア語 gē(地)と logos(学)に由来する。
測地術工学
geodesy / surveying
英語明治期
「測」は測ること、「地」は地球・土地、「術」は技術。geodesy はギリシア語 geōdaisia(土地を分け測ること)に由来する。
博物館文化
museum
英語明治初期
「博物」は多くの物を広く知ること、「館」は施設。museum はギリシア語 mouseion(ムーサの神殿)に由来する。
動物学科学
zoology
英語明治期
「動物」は動く生物、「学」は研究。zoology はギリシア語 zōion(動物)と logos(学)に由来する。
植物学科学
botany
英語江戸後期〜明治期宇田川榕菴
「植物」は根を張って生育する生物、「学」は研究。botany はギリシア語 botanē(草)に由来する。
鉱物学科学
mineralogy
英語明治期
「鉱物」は鉱石・無機自然物、「学」は研究。mineralogy は mineral(鉱物)と -logy(学)から成る。
性理学哲学
psychology
英語明治初期西周
「性」は人の本性、「理」はすじみち・法則、「学」は研究。psychology は psyche(心・魂)と logos(学)に由来する。
精神学哲学
mental science / pneumatology
英語明治期
「精神」は心・霊的原理、「学」は研究。mental science は心的現象の学、pneumatology は霊・精神に関する学をいう。
名教学哲学
ethics
英語明治初期西周
「名教」は名分と教化、社会的規範を意味する漢語。「学」は研究。ethics はギリシア語 ethos(習俗・性格)に由来する。
真理哲学
truth
英語古典漢語由来・明治初期西周
「真」はまこと、「理」は道理・法則。truth は古英語 trēowth(誠実・真実)に由来する。
真性哲学
true nature / authenticity
英語古典漢語由来・明治期
「真」は本当、「性」は性質・本性。authenticity はギリシア語 authentikos(本物の)に由来する。
実体哲学
substance / reality
英語明治初期西周
「実」はまこと・実在、「体」は本体。substance はラテン語 substantia(下に立つもの)に由来する。
宇宙科学
universe / cosmos
英語・ギリシア語古典漢語由来・明治期
「宇」は空間的広がり、「宙」は時間的広がりを表すと解される。universe はラテン語 universum(一つにまとめられたもの)に由来する。
万有哲学
all beings / the universe
英語古典漢語由来・明治期
「万」はあらゆるもの、「有」は存在するもの。being は存在者、universe は全体宇宙を意味する。
精神哲学
spirit / mind
英語・ドイツ語古典漢語由来・明治期
「精」は生命の精髄、「神」は霊妙な働き。spirit はラテン語 spiritus(息・霊)に由来する。
思惟哲学
thought / thinking
英語・ドイツ語古典漢語由来・明治初期西周
「思」は考えること、「惟」は深く思うこと。thought は think に由来し、考える働きや内容を表す。
定義哲学
definition
英語明治初期西周
「定」は定めること、「義」は意味。definition はラテン語 definire(境界を定める)に由来する。
演繹法哲学
deductive method / deduction
英語明治初期西周
「演」は押し広げる、「繹」は糸口から引き出すこと。「法」は方法。deduction はラテン語 deducere(導き出す)に由来する。
帰納法哲学
inductive method / induction
英語明治初期西周
「帰納」は個々の事例をまとめて一つの結論へ帰すこと。「法」は方法。induction はラテン語 inducere(導き入れる)に由来する。
仏教文化
Buddhism
英語古代仏教漢語由来・明治期
「仏」は仏陀、「教」は教え。Buddhism は Buddha(覚者)に -ism が付いた語。
回教文化
Islam / Mohammedanism
英語・アラビア語明治期
「回」は中国の回回・回民に由来し、「教」は宗教。Islam はアラビア語で神への帰依を意味する。
猶太教文化
Judaism
英語・ヘブライ語明治期
「猶太」はユダヤの音写、「教」は宗教。Judaism は Judah / Jew に由来する。
拝火教文化
Zoroastrianism
英語・ペルシア語明治期
「拝火」は火を礼拝すること、「教」は宗教。Zoroastrianism は預言者 Zarathustra / Zoroaster に由来する。
黄教文化
Yellow Hat sect / Gelug school
英語・チベット語明治期
「黄」は黄色い僧帽、「教」は宗派。Gelug はチベット語で善規・徳行を意味する。
紅教文化
Red Hat sect / Nyingma school
英語・チベット語明治期
「紅」は赤い僧帽、「教」は宗派。Nyingma はチベット語で古いものを意味する。
神学文化
theology
英語・ギリシア語明治期
「神」は神、「学」は研究。theology はギリシア語 theos(神)と logos(学)に由来する。
神理学文化
theology / natural theology
英語明治初期西周
「神」は神、「理」は法理・道理、「学」は研究。natural theology は自然理性による神の考察をいう。
唯一神学文化
monotheism
英語・ギリシア語明治期
「唯一」はただ一つ、「神」は deity、「学」はここでは教説・思想を表す。monotheism は mono-(一つ)と theos(神)に由来する。
神統政治政治
theocracy
英語・ギリシア語明治期
「神」は神、「統」は統治、「政治」は governance。theocracy はギリシア語 theos(神)と kratia(支配)に由来する。
福音文化
gospel
英語・ギリシア語キリシタン期〜明治期
「福」は幸い・救い、「音」は知らせ。gospel は古英語 godspel(よい知らせ)に由来し、ギリシア語 euangelion に対応する。
救世主文化
savior / messiah
英語・ヘブライ語明治期
「救世」は世を救うこと、「主」は主なる者。savior は save(救う)に、messiah はヘブライ語 mashiah(油注がれた者)に由来する。
法学法律
jurisprudence / law
英語明治期
「法」は規範・法律、「学」は研究。jurisprudence はラテン語 juris prudentia(法の知識)に由来する。
国法法律
national law / law of the state
英語明治期
「国」は国家、「法」は法律・規範。national law は国家単位で効力をもつ法をいう。
公法法律
public law
英語明治期
「公」は公共・国家、「法」は法律。public law は公的権力や公益に関する法をいう。
私法法律
private law
英語明治期
「私」は私人・私的関係、「法」は法律。private law は個人間関係に関する法をいう。
刑法法律
criminal law / penal code
英語明治期
「刑」は刑罰、「法」は法律。criminal law は犯罪と処罰に関する法をいう。
軍法法律
military law
英語明治期
「軍」は軍隊、「法」は規律・法律。military law は軍事組織に適用される法をいう。
政法政治
political law / constitutional law
英語明治初期西周
「政」は政治・統治、「法」は法。political law は政治制度に関する法をいう。
法典法律
code / legal code
英語明治期
「法」は法律、「典」は基準となる書物。code はラテン語 codex(書冊)に由来する。
政体政治
form of government / polity
英語明治期
「政」は政治、「体」は形・しくみ。polity はギリシア語 polis(都市国家)に由来する。
共和政治政治
republican government
英語明治期
「共和」は共同で政治を行うこと、「政治」は統治。republic はラテン語 res publica(公共の事柄)に由来する。
君主政治政治
monarchy
英語明治期
「君主」は王・皇帝など、「政治」は統治。monarchy はギリシア語 monos(一つ)と arkhein(支配する)に由来する。
平民社会
commoner / common people
英語明治期
「平」は普通・等しい、「民」は人民。commoner は特権身分でない一般人をいう。
公権法律
public right / public authority
英語明治期
「公」は公共・国家、「権」は権利・権力。public right は公的関係における権利をいう。
条規法律
article / regulation
英語明治期
「条」は箇条、「規」は規則。article は法令・条約の条項をいう。
行政政治
administration
英語明治期
「行」は行うこと、「政」は政治・統治。administration はラテン語 administrare(仕える・管理する)に由来する。
立法政治
legislation
英語明治期
「立」は定めること、「法」は法律。legislation は lex(法)に由来する。
判官法律
judge / magistrate
英語古代官制由来・明治期
「判」は判断・裁くこと、「官」は官職。judge はラテン語 judex(裁く者)に由来する。
領事官政治
consul / consular officer
英語明治期
「領事」は外国在留民と通商を扱う官、「官」は官吏。consul はローマの官職名に由来する。
公使政治
minister / diplomatic envoy
英語明治期
「公」は国家・公的、「使」は使者。minister は外交使節の等級名でもある。
特任公使政治
minister plenipotentiary
英語明治期
「特任」は特別に任じること、「公使」は外交使節。plenipotentiary は全権を委ねられた者をいう。
国使政治
envoy / national emissary
英語古典漢語由来・明治期
「国」は国家、「使」は使者。envoy は派遣された使節をいう。
内閣政治
cabinet
英語明治期
「内」は内部・政府中枢、「閣」は高い建物・官署。cabinet は小部屋・会議室から転じた語。
会議官政治
councillor / council member
英語明治期
「会議」は集まって議すること、「官」は官吏。councillor は会議・評議に加わる者をいう。
上院政治
upper house / senate
英語明治期
「上」は上位・第二院、「院」は議院。senate はラテン語 senatus(元老院)に由来する。
下院政治
lower house / house of representatives
英語明治期
「下」は上院に対する位置、「院」は議院。representatives は代表者を意味する。
政治
state / province
英語古典漢語由来・明治期
「州」は水中の中州から転じて地域・行政区画を表す。state は国家・州を意味する。
政治
prefecture / county
英語古代官制由来・明治期
「県」は古代の行政区画名。prefecture は prefect(長官)の管轄区域をいう。
政治
county / district
英語古代官制由来・明治期
「郡」は古代中国・日本の地方区画名。county は伯爵領から転じた行政区画名。
盟約政治
covenant / pact
英語明治期
「盟」は誓約、「約」は約束。covenant は合意・契約、pact は協定を意味する。
和約政治
peace treaty
英語幕末〜明治期
「和」は和解・平和、「約」は約束。peace treaty は戦争終結の条約をいう。
講和政治
peace negotiation / peace treaty
英語明治期
「講」は相談・協議、「和」は和平。peace negotiation は和平交渉をいう。
休兵約束政治
armistice / truce
英語幕末〜明治期
「休兵」は兵を休めること、「約束」は合意。armistice は武器を止める合意をいう。
通報政治
notification / communication
英語明治期
「通」は伝えること、「報」は知らせ。notification は正式な通知をいう。
租税経済
tax / taxation
英語古代法制由来・明治期
「租」は年貢、「税」は徴収物。tax はラテン語 taxare(評価する)に由来する。
直税経済
direct tax
英語明治期
「直」は直接、「税」は租税。direct tax は負担者から直接徴収される税をいう。
地方税経済
local tax
英語明治期
「地方」は地域公共団体、「税」は租税。local tax は地方政府が課す税をいう。
経済学経済
economics / political economy
英語明治初期西周
「経済」は経世済民から転じた語、「学」は研究。economics はギリシア語 oikonomia(家政管理)に由来する。
制産学経済
political economy / economics
英語明治初期西周
「制」は治め整えること、「産」は生産・財貨、「学」は研究。political economy は国家社会の経済を扱う学問をいう。
政事学政治
political science / politics
英語明治初期西周
「政事」は政治上の事柄、「学」は研究。political science は政治現象を体系的に研究する学問をいう。
商業経済
commerce / business
英語明治期
「商」は売買、「業」は営み。commerce はラテン語 commercium(交易)に由来する。
交易経済
trade / exchange
英語古典漢語由来・明治期
「交」は互いに交わること、「易」は取り替えること。trade は売買・通商を意味する。
専売経済
monopoly / government monopoly
英語明治期
「専」は独占すること、「売」は販売。monopoly はギリシア語 monos(一つ)と polein(売る)に由来する。
親族法律
Verwandtschaft / parenté
ドイツ語・フランス語明治期穂積陳重
「親」は近しい・縁のある者、「族」は一族・集団を意味する。古典漢語に用例を持つ語を、近代民法の技術的な法律概念として再定義した。
相続法律
Erbschaft / succession
ドイツ語・フランス語明治期穂積陳重
「相」は姿・状態、「続」は継ぎ続けること。仏教語で「前の状態を次が引き継ぐ連続」を意味し、そこから財産・地位の包括的承継を指す法律用語へと転用された。
勅令法律
Verordnung / ordinance
ドイツ語・英語明治期井上毅
「勅」は天子の発する言葉・命令を指す漢字で、律令体制に由来する語。「令」は法令・命令を意味する。古代中国の律令制から日本の律令体制に引き継がれた漢語を、近代立憲国家の行政命令概念として転用した。
臣民政治
subject / Untertan
英語・ドイツ語明治期井上毅
「臣」は君主に仕える家来・臣下を意味し、「民」は一般の人々を指す。両者はもと別個の概念だったが、西洋の「subject/Untertan(君主権に服する者)」を訳出するにあたり一語として結合・再定義された。
統治政治
Herrschaft / government
ドイツ語・英語明治期井上毅
「統」は統べる・まとめる、「治」は治める・統制するを意味する漢字。ともに古典漢語に用例を持ち、「国家・人民を一元的に支配・管理する」意を表す熟語として近代立憲国家論の統治概念に当てられた。
国語教育
Nationalsprache / national language
ドイツ語・英語明治期上田万年
「国」は国家・国土を意味し、「語」は言葉・語法を意味する。古典漢語にも「国語」の用例はあるが、近代日本では国民国家の言語を指す特定の概念語として上田万年が再定義した。
自助社会
self-help
英語明治初期中村正直
「自」は自分自身を、「助」は助ける・援けることを意味する。古典漢語「天道自助者」(天は自ら助くる者を助く)に由来する表現で、中村正直はスマイルズのself-helpの字義とこの漢籍典拠を重ね合わせて訳語に採用した。
自立社会
self-reliance / independence
英語明治初期福沢諭吉
「自」は自分自身で・みずからを、「立」は立つ・自らの足で立つことを意味する漢字。古典漢語にも「他に依頼せず己の力で立つ」という意味での用例があり、明治期にself-reliance・independenceの個人的・倫理的側面を表す訳語として再定義された。
哲学
nature / the Creator
英語・フランス語明治初期福沢諭吉
古代中国・日本における「天」は空・宇宙・宇宙の最高道徳原理を意味し、儒教では人間の道徳の根拠として「天命」「天道」の形で用いられてきた。明治期にはこの概念が西洋自然法の「Nature(自然)」・「God(神)」の訳語的対応語として機能した。
病理科学
Pathologie / pathology
ドイツ語・英語明治期
「病」は疾病・やまいを、「理」は道理・原理・学問を意味する漢字。ギリシャ語pathos(苦しみ・疾患)+logos(理論・学問)に由来するドイツ語Pathologieを、病気の「ことわり(理)」と訳した漢語造語。
回虫科学
Ascaris / roundworm
ラテン語・英語江戸末期
「蛔(かい)」は虫偏に回を組み合わせた漢字で、腸内でくるくると回転・蠕動する虫の形状に由来する。「回」は渦を巻く・旋回するを意味し、線虫の蠕動運動・円筒形状を字義に取り込んでいる。
葉書文化
postcard / postal card
英語明治初期前島密
「はしがき(端書)」が転じた語。「葉書」は当て字で、文書の端(はし)に記した短い書き付けが独立した一枚の通信文になったことに由来する。「葉」の字義(葉・ページ)と重ね合わせた可能性もある。
手紙文化
letter
英語近世
「手」は手元・筆跡・文書を、「紙」は紙・書面を意味する。本来「手元に置いて使う紙」という実質的意味だったものが、近世に書簡・消息文の意に転じた。中国語では手元の紙=トイレ用紙の意で異なる発展を示す。
庭球文化
lawn tennis
英語明治期
「庭」は庭園・広場を、「球」は球・球技を意味する漢字。英語lawn(芝の庭)を「庭」に、tennisの球技性を「球」に対応させた意訳。英語のtennis自体はフランス語tenez(さあ受けろ)に由来するとされる。
遊撃手文化
shortstop
英語明治期中馬庚
「遊」は自由に動く・遊動することを、「撃」は撃つ・攻撃することを、「手」は人・競技者を意味する。軍事用語「遊軍・遊撃隊」に由来する造語で、二塁と三塁の間を守りながら広範に動く守備位置の機動性を表す。
獨乙文化
Deutsch / Duitsland
ドイツ語・オランダ語江戸末期
「獨(独)」は「どい」の音を、「乙」は「つ」の音を表す当て字。「独逸」も同義の別表記。オランダ語Duitsの短縮形を日本語音に近い漢字で写した音訳で、ドイツ語Deutschとも同源(古高ドイツ語diutisc=民衆の)。
墺地利文化
Österreich / Austria
ドイツ語・英語幕末・明治期
「墺」は土偏をもつ当て字で、「オウ」の音を写した略字。「地利」は「ちり・たり」の音を表す。ドイツ語Österreich(オスター=東+ライヒ=国)の意味は訳語に取り込まれず、発音のみを漢字化した。
伊太利文化
Italia / Italy
イタリア語・英語江戸末期
「伊」は「い」の音を、「太」は「た」の音を、「利」は「り」の音を表す当て字。「伊太利亜」は「ア」まで写した完全形。Italiaの語源はイタリック人の地名に由来し、意味は反映されていない純粋な音訳。
英吉利文化
England / Britain
英語江戸末期
「英」は「えい」の音を写し光輝・優秀の意をもつ漢字、「吉利」は「ぎりす・ぎりし」の音を表す当て字。語源はポルトガル語inglez(英国人・英国の)で、戦国期の南蛮貿易を通じて伝来した。
阿蘭陀文化
Holanda / Holland
ポルトガル語・オランダ語江戸時代
「阿蘭陀」はポルトガル語Holandaを「阿(あ)」「蘭(ら)」「陀(だ)」と音訳した当て字。「和蘭」「和蘭陀」も同義の別表記。略字「蘭」はオランダから伝来した西洋知識全体を指す象徴文字として江戸文化に定着した。
亜米利加文化
America
英語江戸末期
「亜(あ)」「米(め・み)」「利(り)」「加(か)」の音を写す当て字。「米利堅」はAmericaのうち「meri-can」に対応する音節を漢字化したもの。「亜」は大陸・国名に接頭的に用いられた。
仏蘭西文化
France
フランス語・英語江戸末期
「仏(ふつ)」は[F-]の音を、「蘭(らん)」は[-ran-]の音を、「西(す・せ)」は[-s/-ce]の音を写す当て字。Franceのf-r-a-n-c-eを仏・蘭・西の三字で音訳した中国由来の表記を日本が採用した。
西班牙文化
España / Hispania
スペイン語・ラテン語江戸時代
ラテン語Hispaniaの音(ヒスパニア)を中国語で写した当て字。「西(しー)」は[his-]の音を、「班(はん)」は[-pan-]の音を、「牙(が)」は[-ia]の音を表す。スペイン語自国名Españaとは異なるラテン語形に基づく音訳。
葡萄牙文化
Portugal
ポルトガル語安土桃山時代
広東語発音でPortugalを音訳した当て字。「葡(ぽ)」は[Po-]の音を、「萄(とう)」は[-rtu-]に対応する音を、「牙(が)」は[-gal]の音を写した。「葡萄」との字形の一致は偶然で、意味とは無関係な純粋な音訳。
倫敦文化
London
英語幕末・明治期
「倫(りん・ろん)」は[Lon-]の音を、「敦(とん・どん)」は[-don]の音を写す当て字。古代ケルト語に由来するLondonはローマ時代の「Londinium」に遡る地名で、漢字には音のみを写した。
巴里文化
Paris
フランス語幕末・明治期
「巴(は・ぱ)」は[Pa-]の音を、「里(り)」は[-ri]の音を写す当て字。フランス語Parisはパリシイ族(Parisii)の居住地に由来する地名で、「巴」「里」の字義(うずまき・村里)は音訳に使われたにすぎない。
紐育文化
New York
英語明治期
「紐(じゅう・にゅう)」は[New-]の音を、「育(いく)」は[-York]の音を写す当て字。中国語「紐約」の「約(ヤク)」を英語音により近い「育(イク)」に替えた日本独自の変形音訳。
伯林文化
Berlin
ドイツ語明治期
「伯(はく・べ)」は[Ber-]の音を、「林(りん)」は[-lin]の音を写す当て字。Berlinの語源はスラブ語の湿地(berl-)とする説やドイツ語の熊(Bär)に由来するとの説があるが、漢字には意味は反映されていない。
墨西哥文化
México
スペイン語江戸末期・明治期
「墨(ぼく・め)」は[Me-]の音を、「西(し・き)」は[-xi-]の音を、「哥(か・こ)」は[-co]の音を写す当て字。「墨」はインク・墨汁を意味するが、ここでは純粋に「me」の音を写す中国語慣用の音訳字として用いられた。亜墨利加(America)の「墨」と同一用法。
消費経済
consumption
英語幕末・明治初期神田孝平
「消」は物が尽きることを、「費」は財を使って減ることを表す漢字。いずれも資源・財の消滅・減少を意味し、「欲求を満たすために財やサービスを使い尽くす」という近代経済学の概念に充てられた。
取引経済
transaction
英語江戸期(明治期に経済・法律用語として確立)
「取る」は商品・財物を受け取る動作を、「引く」は代金・決済を引き取る動作を表す和語動詞。売手が商品を引き渡し、買手が代金を引くという売買の相互動作を一語に凝縮した純粋な和語複合名詞。漢語由来でなく、日本独自の動詞合成による商業用語。
麻薬科学
narcotic
英語昭和初期
「麻」は感覚を失わせる・しびれさせるという意味を持つ漢字で、「麻痺」「麻酔」など神経の鈍磨・麻痺を表す語に共通して用いられる。「薬」は薬物・薬品を表す。「神経を麻痺させる薬」という字義がnarcoticのギリシア語語根narkē(麻痺・しびれ)と意味的に対応しており、近代医学の文脈で訳語として充てられた。