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文化

出版・芸術・生活文化・舶来風俗など、広い文化受容のなかで定着した訳語の分野。

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西周10福沢諭吉3前島密2中馬庚2中江兆民1森有礼1
文化文化
culture
英語明治期森有礼
文(人の営み・文字・芸術)と化(変化・教化・感化)を組み合わせた造語。
文明文化
civilization
英語・フランス語明治期福沢諭吉
「文」は文事・文化・教養を意味し、「明」は明らかにすること・啓発を意味する。儒学の古典語から転用し、civilizationの近代的意義(物質的・精神的発展)を付与した。
近代文化
modern / modernity
英語・フランス語・ドイツ語明治期
近(近い・直近の)と代(時代・世代)を組み合わせた造語。「現在に近い時代」という意味で、西洋語 modern のラテン語語源 modo(今まさに)に相応する概念を漢字で表現した。
芸術文化
art / Kunst
英語・ドイツ語・フランス語明治期西周
芸(わざ・技芸・才能)と術(すべ・技法・方法)を組み合わせた造語。技芸の方法・体系という意味を持ち、古典漢語の「藝」(六芸などの技能)を再転用した。
恋愛文化
love / amour
英語・フランス語明治中期
恋(こい・慕う気持ち)と愛(いつくしむ・大切に思う)を組み合わせた造語。慕い愛するという意味で、肉体的欲望よりも精神的・感情的な絆を強調する語として創出された。
歴史文化
history
英語明治期
歴(へる・経過する・次々と経てきた)と史(ふみ・記録・歴史家)を組み合わせた漢語。「次々と経過してきた出来事の記録」という字義で、時間の経過とともに積み重なった事象の記録・研究を指す。
文学文化
literature
英語明治期
「文」は文字・文章・文事(文学的な事柄)を意味し、「学」は学問・学術を意味する。古典漢語の「文学」は文事の学問という意で、近代的なliteratureの概念を担う語として再利用された。
宗教文化
religion
英語明治期
宗(みなもと・宗派・崇める対象・根本)と教(おしえ・教義・教え)を組み合わせた漢語・仏教語。「宗派の教え」という仏教的字義が、信仰・超越的存在への帰依という宗教一般を指す語に転用された。
文化
love / agapē
英語・ギリシャ語明治初期
古来より漢字圏に存在した語で、「心が気にかかる・執着する・大切にする」を意味した。古代中国語では「仁愛・慈愛」の意で用いられ、仏教では渇愛(タンハー)の訳として煩悩的な意味合いも持つ。ギリシャ語 agapē は神の無償の愛を意味し、これに「愛」を当てることで語義が大きく拡張された。
写真文化
photograph
英語幕末〜明治初期
「写」(うつす・模写する)と「真」(まこと・実物)を組み合わせた漢語で、「真実のものを写し取る」を字義とする。もと肖像画や写生画を意味し、光学的記録技術の訳語として転用された。英語photographはギリシャ語phōs(光)とgraphein(描く)に由来し「光で描く」を意味する。
象徴文化
symbol
フランス語明治期中江兆民
象(かたち・姿)と徴(しるし・あらわれ)の合成語。抽象概念を具体的な形象で表すという字義。
背景文化
background
英語明治期
背(うしろ)と景(けしき・うしろの壁など)の結合。絵や劇の奥の部分を指す。
野球文化
baseball
英語明治期中馬庚
「野」は野原・フィールドの意、「球」はボールの意。baseballが野外の広い場所で球を打ち走る競技であることから、「野原で行う球技」として命名された。
失恋文化
heartbreak / unrequited love
英語(対応語)明治期
「失」は失う・なくすを意味し、「恋」は恋愛・慕情を意味する。「恋を失う」という動賓構造(述語+目的語)の和製漢語。
接吻文化
kiss / kus
英語・オランダ語江戸末期
「接」は接する・触れることを意味し、「吻」は口・くちびる(口のすぼまった部分)を意味する。「くちびるを合わせる」という動作を直截に表した字義。
美術文化
fine arts / beaux-arts
英語・フランス語明治初期西周
「美」は美しさ・審美的価値を意味し、「術」は技術・技芸を意味する。「美を追求する技芸」という字義。fine artsのfineはラテン語finitus(完成された・洗練された)に由来する。
喜劇文化
comedy
英語・フランス語明治期
「喜」は喜び・笑いを意味し、「劇」は演劇・劇的な演技を意味する。「喜びや笑いを扱う演劇」という字義。comedyはギリシャ語komodia(komos=宴会の祭り+oide=歌)に由来する。
悲劇文化
tragedy
英語・フランス語明治期
「悲」は悲しみ・哀れを意味し、「劇」は演劇・劇的な演技を意味する。「悲しみや苦難を扱う演劇」という字義。tragedyはギリシャ語tragoidia(tragos=ヤギ+oide=歌)に由来し、主人公が苦難・死を迎える演劇ジャンルを指す。
珈琲文化
koffie / coffee
オランダ語・英語江戸後期宇田川榕菴
語源はオランダ語 koffie、さらに遡ればアラビア語 qahwa に由来する。「珈」「琲」は音を写しつつ、玉飾りのような漢字を選んで異国風の飲料を雅に表した当て字とみられる。
出版文化
publication / publishing
英語明治期
「出」は世に出すこと、「版」は印刷のための版木・版面を意味する。版を用いて世に出すという字義から、印刷物の刊行全般を表すようになった。
現代文化
contemporary / modern / present age
英語明治期
「現」はあらわれて今ここにあること、「代」は時代・世代を意味する。字義どおり、目の前にあらわれている現在の時代を表す。
世界文化
world
英語明治期
仏教語では梵語 lokadhātu などの訳語として、時間を表す「世」と空間・境域を表す「界」を合わせた語とされる。近代には world の訳語として地理的・社会的意味が強まった。
表現文化
expression / representation
英語・フランス語・ドイツ語明治期
「表」は外にあらわすこと、「現」はあらわれることを意味する。内にあるものを外に現すという字義で expression に対応した。
掲示文化
notice / posting
英語明治期
「掲」は高くかかげること、「示」は示すことを意味する。文書などを掲げて人々に見せることを表す。
詳細文化
detail / particulars
英語明治期
「詳」はくわしいこと、「細」はこまかなことを意味する。細部までくわしいという字義で detail に対応した。
奮発文化
spirited effort / splurge / generous spending
英語室町後期
「奮」はふるいたつこと、「発」は起こる・起こすこと。勢いや気力を内から起こすという字義が核にある。
放蕩文化
dissipation / debauchery / licentiousness
英語奈良時代
「放」はほしいままにすること、「蕩」はみだれること。規律を離れてふるまいが乱れるという字義から成る。
文化
I / me
英語江戸後期
もとは「しもべ」を意味する漢語。へりくだった自己表現として自称に転じ、のちに男性一般の一人称として広がった。
貴君文化
you / dear sir
英語江戸後期
「貴」は相手を尊ぶ接頭語、「君」は相手を呼ぶ語。相手を尊重しつつ呼びかける字義から成る。
我輩文化
I / we
英語室町後期
「我」はわれ、「輩」はともがら・仲間の意。もとは複数的な『われら』だが、のちに単数の自称にも転じた。
恐縮文化
obliged / sorry / grateful
英語幕末
「恐」はおそれること、「縮」はちぢむこと。恐れ入って身が縮むという身体感覚から、感謝や恐縮の気持ちへ展開した。
憫然文化
pitiable / lamentable / pathetic
英語鎌倉中期
「憫」はあわれむこと、「然」はそのようなありさま。あわれみを誘う状態をそのまま形容する構成である。
展覧文化
exhibition / display / viewing
英語江戸後期
「展」はひろげること、「覧」は見ること。物をひろげて目に触れさせるという字義から成る。
迅速文化
rapid / quick / swift / prompt
英語江戸後期
「迅」はすばやいこと、「速」ははやいこと。意味の近い二字を重ね、非常な速さを強調する。
盛大文化
grand / magnificent / on a grand scale
英語江戸前期
「盛」はさかんなこと、「大」は大きいこと。規模と勢いの双方が充実しているさまを示す。
遺憾文化
regret / disappointment
英語室町中期
「遺」は残すこと、「憾」は心残りやうらみ。思いが残って満たされない感情を二字で表す。
偉業文化
great achievement / great work
英語明治初期
「偉」はすぐれて大きいこと、「業」は仕事・しわざ。大きくすぐれた仕事という字義がそのまま核になる。
一洗文化
sweep away / remove completely / clear up
英語室町後期
「一」はすっかり・ひと息にの意、「洗」はあらうこと。残らず洗い流して新しくするという字義を持つ。
合祀文化
joint enshrinement / enshrinement together
英語江戸後期
「合」はあわせること、「祀」はまつること。複数の祭神や霊を一所にまとめて祭るという字義を持つ。
簡易文化
simple / easy / simplified
英語不詳
「簡」は簡単であること、「易」はやさしいこと。複雑でなく扱いやすいさまを組み合わせて表す。
旧来文化
traditional / former / from old times
英語不詳
「旧」は古いこと、「来」はそれ以来続いてきたこと。以前から今に至る継続を含んだ語である。
会話文化
conversation / dialogue
英語明治期
「会」は互いに向き合うこと、「話」は話すこと。向かい合って言葉を交わす行為をそのまま示す。
敬白文化
respectfully yours / respectfully submitted
英語不詳
「敬」はうやまうこと、「白」は申し述べること。敬意をこめて申し上げるという文語的な結びの表現である。
巨細文化
details / particulars / large and small matters
英語平安中期
「巨」は大きいこと、「細」はこまかいこと。大小のすべて、または詳しい仔細を合わせて示す。
在館文化
being in a building / being present at an embassy or museum
英語近代
「在」はその場にあること、「館」は建物・公館・施設。館の中に在るという状態をそのまま示す。
祭典文化
festival rite / ceremonial festival
英語明治初期
「祭」はまつること、「典」は儀式のきまり。祭りを単なる催しでなく、形式を備えた典礼として示す。
重大文化
serious / grave / important
英語不詳
「重」は重いこと、「大」は大きいこと。負担・結果・規模の大きさを合わせて示す。
弱冠文化
twenty years old / youthful
英語奈良時代
『礼記』の『二十を弱と曰ひて冠す』に由来する。成人儀礼として冠をつける年齢を示す。
贖罪文化
atonement / expiation / redemption
英語平安中期
「贖」はあがなうこと、「罪」はつみ。罪に対して償いを差し出すという字義を持つ。
慎謹文化
prudence / caution / circumspection
英語不詳
「慎」も「謹」もつつしむ意を持ち、重ねることで注意深く節度ある態度を強めて表す。
即刻文化
immediately / at once
英語鎌倉初期
「即」はその場ですぐに、「刻」は時のきざみ。時間を置かないことを字面どおりに示す。
沈吟文化
meditation / brooding / murmuring
英語奈良時代
「沈」は深くしずむこと、「吟」は口ずさむこと。思いが内に沈みつつ声になる気配を含む。
低首文化
bowing one's head / submission
英語不明
「低」はひくくすること、「首」はこうべ。頭を垂れて従順・恭敬を示す字面である。
方今文化
at present / current times
英語奈良時代
「方」はまさにその時、「今」はいま。現在という時点を漢語らしく引き締めて表す。
報知文化
notice / notification / report
英語不明
「報」は知らせること、「知」は知ること。知らせて相手に知覚させる行為を表す。
莫大文化
enormous / vast / immense
英語不明
「これより大なるは莫なし」の意に由来するとされ、極端な大きさを誇張的に示す。
舶来文化
imported / brought from abroad
英語江戸後期
「舶」は大きな船、「来」は来ること。船で外国からもたらされるものを示す。
抜群文化
outstanding / preeminent
英語不明
群れを「抜く」ことから、他より抜きんでている状態を示す。
百事文化
all things / every matter
英語平安後期
「百」は多数のたとえ、「事」はことがら。無数の事柄をひとまとめに示す。
文明開化文化
civilization and enlightenment / modernization
英語明治初期福沢諭吉
「文明」と「開化」を重ね、知と生活が開け進歩する過程を強調した語。
本月文化
this month / the current month
英語明治初期
「本」は当の・この、「月」はつき。現在問題にしている月を指す。
埋葬文化
burial / interment
英語奈良時代
「埋」はうめること、「葬」はほうむること。死者を土中に納める行為をそのまま示す。
列席文化
attendance / presence at a ceremony
英語近代
「列」はつらなること、「席」は座席。席に連なって加わる意を表す。
応接文化
receiving guests / dealing with visitors
英語不明
「応」はこたえること、「接」は接すること。相手に応じて応待する意を表す。
口調文化
tone
英語明治期
「口」は口・言葉を、「調」は整ったリズム・調子を意味し、「言葉を口に出す際の調子」を表す。英語 tone はギリシャ語 tonos(張り・音程)→ラテン語 tonus を経て「声の調子・話し方」を意味するようになった。
音論文化
phonology
英語昭和期以降
「音」は言語音・声の響き、「論」は体系的に論じることを表す。英語phonologyはギリシア語phone(声・音)と-logy(学問)に由来する。
布施文化
dāna
サンスクリット語古代仏教漢訳
「布」は広く行き渡らせること、「施」はほどこし与えることを表す。dāna はサンスクリット語で「与えること・贈与・施し」を意味する。
天使文化
angel
英語幕末〜明治初期福沢諭吉
「天」は天上・神の領域、「使」は使者を表す。angel はギリシア語 angelos(使者)に由来し、神の意志を伝える霊的存在を指す。
昇天文化
ascension
英語古典漢語由来・明治初期西周
「昇」は上へのぼること、「天」は天上を表す。ascension はラテン語 ascendere(のぼる)に由来する。
化身文化
incarnation
英語・サンスクリット語仏教漢訳由来・明治期
「化」は姿を変えること、「身」は身体を表す。incarnation はラテン語 caro(肉)に由来し、肉体を取ることを意味する。
切手文化
postage stamp / stamp
英語明治初期前島密
「切手」は切符手形の略とされ、一定の権利や支払いを示す証票を意味した。stamp は押印・印紙・切手を表す英語で、postage stamp は郵便料金前納証票をいう。
会場文化
venue / hall
英語中世〜明治期
「会」は人が集まること、「場」は場所を表す。venue はラテン語 venire(来る)に由来し、人が集まる場所を意味する。
基督文化
Christ
英語・ギリシア語・ラテン語キリシタン期〜明治期
「基督」は Christ の音を漢字で写した表記。Christ はギリシア語 Christos(油注がれた者)に由来し、ヘブライ語 Messiah(メシア)の訳語にあたる。
技芸文化
art / craft / skill
英語中世漢語由来・明治期
「技」はわざ・技能、「芸」は芸能・学芸を表す。craft は古英語 cræft(力・技能)に由来し、手仕事や熟練を意味する。
詩学文化
poetics
英語・ギリシア語江戸後期〜明治初期西周
「詩」は韻文・詩歌、「学」は研究を表す。poetics はギリシア語 poiētikē(制作の技術)に由来する。
音楽文化
music
英語古典漢語由来・明治期
「音」は声や響き、「楽」は楽器や楽しみを表す。music はギリシア語 mousikē(ムーサの技芸)に由来する。
正史文化
official history / authorized history
英語古典漢語由来
「正」は正式・正統、「史」は歴史記録を表す。official history は公的機関が編んだ、または承認した歴史をいう。
年表文化
chronological table / timeline
英語中世漢語由来・明治初期西周
「年」は年次、「表」は項目を並べ示す表を表す。chronological はギリシア語 chronos(時間)に由来する。
編年史文化
chronicle / annals
英語明治初期西周
「編年」は年次に従って編むこと、「史」は歴史記録。chronicle はギリシア語 chronos(時間)に由来する。
万国史文化
world history / universal history
英語明治初期
「万国」は多くの国・世界諸国、「史」は歴史を表す。world history は国境を越えた歴史過程を扱う分野をいう。
古伝文化
ancient tradition / legend
英語古典漢語由来
「古」は古い時代、「伝」は伝えること・言い伝えを表す。tradition はラテン語 tradere(引き渡す)に由来する。
輓近史文化
modern history / recent history
英語明治期
「輓近」は近ごろ・近代、「史」は歴史を表す。modern はラテン語 modo(今)に由来する。
中世文化
Middle Ages / medieval period
英語明治期
「中」は中間、「世」は時代を表す。medieval はラテン語 medium aevum(中間の時代)に由来する。
新聞文化
newspaper / news
英語幕末〜明治期
「新」は新しいこと、「聞」は知らせ・ニュースを表す。newspaper は news(知らせ)と paper(紙)から成る。
印刷文化
printing
英語明治期
「印」はしるしを押すこと、「刷」はすり写すこと。printing は print(押して写す)に由来する。
活字文化
type / movable type
英語近世〜明治期
「活」は動かして組み替えられること、「字」は文字を表す。movable type は自由に組み直せる印刷用字型をいう。
書式文化
form / format / style
英語古典漢語由来・明治期
「書」は文書、「式」は一定の型・方式を表す。format はラテン語 forma(形)に由来する。
句法文化
syntax / phrase construction
英語室町期〜明治期
「句」は語句・文のまとまり、「法」は規則を表す。syntax はギリシア語 syntaxis(配列)に由来する。
語法文化
grammar / usage
英語江戸後期〜明治期
「語」はことば、「法」は規則・方法を表す。usage は use(用いること)に由来し、慣用的な語の使い方をいう。
音字文化
phonetic letter / letter
英語明治初期西周
「音」は音声、「字」は文字を表す。phonetic はギリシア語 phone(声・音)に由来する。
母音文化
vowel
英語明治初期西周
「母」は音節を支える中心音の比喩、「音」は言語音を表す。vowel はラテン語 vocalis(声のある)に由来する。
子音文化
consonant
英語明治初期西周
「子」は母音に従属して音節を作る音の比喩、「音」は言語音を表す。consonant はラテン語 consonare(共に響く)に由来する。
博物館文化
museum
英語明治初期
「博物」は多くの物を広く知ること、「館」は施設。museum はギリシア語 mouseion(ムーサの神殿)に由来する。
仏教文化
Buddhism
英語古代仏教漢語由来・明治期
「仏」は仏陀、「教」は教え。Buddhism は Buddha(覚者)に -ism が付いた語。
回教文化
Islam / Mohammedanism
英語・アラビア語明治期
「回」は中国の回回・回民に由来し、「教」は宗教。Islam はアラビア語で神への帰依を意味する。
猶太教文化
Judaism
英語・ヘブライ語明治期
「猶太」はユダヤの音写、「教」は宗教。Judaism は Judah / Jew に由来する。
拝火教文化
Zoroastrianism
英語・ペルシア語明治期
「拝火」は火を礼拝すること、「教」は宗教。Zoroastrianism は預言者 Zarathustra / Zoroaster に由来する。
黄教文化
Yellow Hat sect / Gelug school
英語・チベット語明治期
「黄」は黄色い僧帽、「教」は宗派。Gelug はチベット語で善規・徳行を意味する。
紅教文化
Red Hat sect / Nyingma school
英語・チベット語明治期
「紅」は赤い僧帽、「教」は宗派。Nyingma はチベット語で古いものを意味する。
神学文化
theology
英語・ギリシア語明治期
「神」は神、「学」は研究。theology はギリシア語 theos(神)と logos(学)に由来する。
神理学文化
theology / natural theology
英語明治初期西周
「神」は神、「理」は法理・道理、「学」は研究。natural theology は自然理性による神の考察をいう。
唯一神学文化
monotheism
英語・ギリシア語明治期
「唯一」はただ一つ、「神」は deity、「学」はここでは教説・思想を表す。monotheism は mono-(一つ)と theos(神)に由来する。
福音文化
gospel
英語・ギリシア語キリシタン期〜明治期
「福」は幸い・救い、「音」は知らせ。gospel は古英語 godspel(よい知らせ)に由来し、ギリシア語 euangelion に対応する。
救世主文化
savior / messiah
英語・ヘブライ語明治期
「救世」は世を救うこと、「主」は主なる者。savior は save(救う)に、messiah はヘブライ語 mashiah(油注がれた者)に由来する。
葉書文化
postcard / postal card
英語明治初期前島密
「はしがき(端書)」が転じた語。「葉書」は当て字で、文書の端(はし)に記した短い書き付けが独立した一枚の通信文になったことに由来する。「葉」の字義(葉・ページ)と重ね合わせた可能性もある。
手紙文化
letter
英語近世
「手」は手元・筆跡・文書を、「紙」は紙・書面を意味する。本来「手元に置いて使う紙」という実質的意味だったものが、近世に書簡・消息文の意に転じた。中国語では手元の紙=トイレ用紙の意で異なる発展を示す。
庭球文化
lawn tennis
英語明治期
「庭」は庭園・広場を、「球」は球・球技を意味する漢字。英語lawn(芝の庭)を「庭」に、tennisの球技性を「球」に対応させた意訳。英語のtennis自体はフランス語tenez(さあ受けろ)に由来するとされる。
遊撃手文化
shortstop
英語明治期中馬庚
「遊」は自由に動く・遊動することを、「撃」は撃つ・攻撃することを、「手」は人・競技者を意味する。軍事用語「遊軍・遊撃隊」に由来する造語で、二塁と三塁の間を守りながら広範に動く守備位置の機動性を表す。
獨乙文化
Deutsch / Duitsland
ドイツ語・オランダ語江戸末期
「獨(独)」は「どい」の音を、「乙」は「つ」の音を表す当て字。「独逸」も同義の別表記。オランダ語Duitsの短縮形を日本語音に近い漢字で写した音訳で、ドイツ語Deutschとも同源(古高ドイツ語diutisc=民衆の)。
墺地利文化
Österreich / Austria
ドイツ語・英語幕末・明治期
「墺」は土偏をもつ当て字で、「オウ」の音を写した略字。「地利」は「ちり・たり」の音を表す。ドイツ語Österreich(オスター=東+ライヒ=国)の意味は訳語に取り込まれず、発音のみを漢字化した。
伊太利文化
Italia / Italy
イタリア語・英語江戸末期
「伊」は「い」の音を、「太」は「た」の音を、「利」は「り」の音を表す当て字。「伊太利亜」は「ア」まで写した完全形。Italiaの語源はイタリック人の地名に由来し、意味は反映されていない純粋な音訳。
英吉利文化
England / Britain
英語江戸末期
「英」は「えい」の音を写し光輝・優秀の意をもつ漢字、「吉利」は「ぎりす・ぎりし」の音を表す当て字。語源はポルトガル語inglez(英国人・英国の)で、戦国期の南蛮貿易を通じて伝来した。
阿蘭陀文化
Holanda / Holland
ポルトガル語・オランダ語江戸時代
「阿蘭陀」はポルトガル語Holandaを「阿(あ)」「蘭(ら)」「陀(だ)」と音訳した当て字。「和蘭」「和蘭陀」も同義の別表記。略字「蘭」はオランダから伝来した西洋知識全体を指す象徴文字として江戸文化に定着した。
亜米利加文化
America
英語江戸末期
「亜(あ)」「米(め・み)」「利(り)」「加(か)」の音を写す当て字。「米利堅」はAmericaのうち「meri-can」に対応する音節を漢字化したもの。「亜」は大陸・国名に接頭的に用いられた。
仏蘭西文化
France
フランス語・英語江戸末期
「仏(ふつ)」は[F-]の音を、「蘭(らん)」は[-ran-]の音を、「西(す・せ)」は[-s/-ce]の音を写す当て字。Franceのf-r-a-n-c-eを仏・蘭・西の三字で音訳した中国由来の表記を日本が採用した。
西班牙文化
España / Hispania
スペイン語・ラテン語江戸時代
ラテン語Hispaniaの音(ヒスパニア)を中国語で写した当て字。「西(しー)」は[his-]の音を、「班(はん)」は[-pan-]の音を、「牙(が)」は[-ia]の音を表す。スペイン語自国名Españaとは異なるラテン語形に基づく音訳。
葡萄牙文化
Portugal
ポルトガル語安土桃山時代
広東語発音でPortugalを音訳した当て字。「葡(ぽ)」は[Po-]の音を、「萄(とう)」は[-rtu-]に対応する音を、「牙(が)」は[-gal]の音を写した。「葡萄」との字形の一致は偶然で、意味とは無関係な純粋な音訳。
倫敦文化
London
英語幕末・明治期
「倫(りん・ろん)」は[Lon-]の音を、「敦(とん・どん)」は[-don]の音を写す当て字。古代ケルト語に由来するLondonはローマ時代の「Londinium」に遡る地名で、漢字には音のみを写した。
巴里文化
Paris
フランス語幕末・明治期
「巴(は・ぱ)」は[Pa-]の音を、「里(り)」は[-ri]の音を写す当て字。フランス語Parisはパリシイ族(Parisii)の居住地に由来する地名で、「巴」「里」の字義(うずまき・村里)は音訳に使われたにすぎない。
紐育文化
New York
英語明治期
「紐(じゅう・にゅう)」は[New-]の音を、「育(いく)」は[-York]の音を写す当て字。中国語「紐約」の「約(ヤク)」を英語音により近い「育(イク)」に替えた日本独自の変形音訳。
伯林文化
Berlin
ドイツ語明治期
「伯(はく・べ)」は[Ber-]の音を、「林(りん)」は[-lin]の音を写す当て字。Berlinの語源はスラブ語の湿地(berl-)とする説やドイツ語の熊(Bär)に由来するとの説があるが、漢字には意味は反映されていない。
墨西哥文化
México
スペイン語江戸末期・明治期
「墨(ぼく・め)」は[Me-]の音を、「西(し・き)」は[-xi-]の音を、「哥(か・こ)」は[-co]の音を写す当て字。「墨」はインク・墨汁を意味するが、ここでは純粋に「me」の音を写す中国語慣用の音訳字として用いられた。亜墨利加(America)の「墨」と同一用法。