翻訳語辞典Shaqai
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love / agapē
言語英語・ギリシャ語
翻訳時期明治初期(1880年頃)
分野文化
翻訳者

意味

1.

An intense feeling of deep affection for another person.

他者への深い情愛・愛着の感情。

A mother's love for her child is unconditional.

子への母の愛は無条件である。

2.

In Christian theology, God's benevolent love for humanity (agapē).

キリスト教神学において、神の人への慈悲深い愛(アガペー)。

In the New Testament, agapē is described as God's love for all people.

新約聖書においてアガペー(愛)は神のすべての人への愛として描かれる。

3.

A great interest in and enjoyment of something.

何かへの強い関心・情熱・愛着。

Her love of music led her to study at a conservatory.

音楽への愛が彼女を音楽院で学ぶことへと導いた。

由来・語源

古来より漢字圏に存在した語で、「心が気にかかる・執着する・大切にする」を意味した。古代中国語では「仁愛・慈愛」の意で用いられ、仏教では渇愛(タンハー)の訳として煩悩的な意味合いも持つ。ギリシャ語 agapē は神の無償の愛を意味し、これに「愛」を当てることで語義が大きく拡張された。

説明

西洋のキリスト教的愛概念(love / agapē)の訳語として定着した語。もともと日本語の「愛」は仏教的な執着・煩悩のニュアンスを持ち、16世紀に来日したキリスト教宣教師たちはあえて「ご大切」などを用いて避けていた。明治期の聖書翻訳委員会(ヘボン・ブラウンら)は中国語聖書の訳語に倣ってあっさりと「愛」を採用し、1880年完成の明治元訳新約聖書で定着した。これ以降「愛」は無私の慈愛・神の愛・人間同士の深い情愛を含む広義の概念として普及し、「恋愛」「愛情」「愛国」など多くの複合語の核にもなった。

初出情報

時期1880年頃
初出資料明六雑誌
補足love/agapēの訳語として西周らが哲学・倫理学の文脈で「愛」を用い、明六雑誌(1874-75年)で近代的意味が普及

出典

  • 明六雑誌1874-75年。西周・森有礼ら明六社の知識人が近代的社会・文化概念を普及させた雑誌
  • 西周 百一新論1874年(明治7年)刊行。西周が哲学・社会科学の訳語を多数創出した著作

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