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中江兆民

中江兆民

1847190154歳)

明治時代の思想家・政治家。土佐国高知藩(現・高知県)の足軽の子として生まれ、長崎でフランス語を修めた後、フランス公使館の通訳として渡仏し、ルソーをはじめとする近代社会契約論に深く傾倒した。

帰国後はルソーの『社会契約論』を漢文体で翻訳した『民約訳解』を刊行し、「主権」「民権」「自由」などの政治概念を日本に導入した。翻訳に際しては単純な直訳を避け、儒学の文脈と西洋近代の概念が自然に接合するよう工夫された訳文は、当時の知識人に広く読まれた。

自由民権運動にも積極的に関わり、大阪に仏学塾を開いて後進を育てる一方、衆議院議員としても活動した。晩年に書いた『一年有半』は咽頭がんを宣告された後に著した哲学的随筆として名高く、「東洋のルソー」の名とともに今日まで語り継がれている。

4訳語数
英語 / フランス語翻訳元言語
1871–1883年頃訳語年代

分野別訳語数

政治3
文化1

訳語一覧4

自由政治
liberty / freedom
英語・フランス語明治期中江兆民
仏教語の「自由」(自らの思いのままに)を再定義。「自らに由る」という意味に基づく。
民主政治
democracy / démocratie
英語・フランス語明治中期中江兆民
「民」は人民・国民を意味し、「主」は主権・主体を意味する。古典漢語では「民の主」=君主を指したが、近代的解釈では「民が主」を意味するよう転義した。democracyはギリシャ語demos(人民)+kratos(支配)に由来する。
平等政治
equality
英語明治期中江兆民
平(たいら・ひとしい・差がない)と等(ひとしい・同じ程度)を組み合わせた漢語・仏教語。「すべてが同等であること」という字義を持ち、仏教では衆生の平等を、近代では人権・地位の均等を意味する。
象徴文化
symbol
フランス語明治期中江兆民
象(かたち・姿)と徴(しるし・あらわれ)の合成語。抽象概念を具体的な形象で表すという字義。