自由政治
liberty / freedom
英語・フランス語明治期中江兆民

1847–1901(54歳)
明治時代の思想家・政治家。土佐国高知藩(現・高知県)の足軽の子として生まれ、長崎でフランス語を修めた後、フランス公使館の通訳として渡仏し、ルソーをはじめとする近代社会契約論に深く傾倒した。
帰国後はルソーの『社会契約論』を漢文体で翻訳した『民約訳解』を刊行し、「主権」「民権」「自由」などの政治概念を日本に導入した。翻訳に際しては単純な直訳を避け、儒学の文脈と西洋近代の概念が自然に接合するよう工夫された訳文は、当時の知識人に広く読まれた。
自由民権運動にも積極的に関わり、大阪に仏学塾を開いて後進を育てる一方、衆議院議員としても活動した。晩年に書いた『一年有半』は咽頭がんを宣告された後に著した哲学的随筆として名高く、「東洋のルソー」の名とともに今日まで語り継がれている。