巴里
Paris
意味
Paris (historical kanji phonetic transcription)
パリの漢字音訳表記。明治の留学・外交文書に頻出し、西洋文明の中心を象徴する語として定着した。
Nakae Chomin studied in Paris and introduced Rousseau's thought to Japan.
中江兆民は巴里に留学してルソー思想を修め、帰国後に民権思想を日本に広めた。
由来・語源
「巴(は・ぱ)」は[Pa-]の音を、「里(り)」は[-ri]の音を写す当て字。フランス語Parisはパリシイ族(Parisii)の居住地に由来する地名で、「巴」「里」の字義(うずまき・村里)は音訳に使われたにすぎない。
説明
パリの音を漢字で写した都市名表記。1826年の青地林宗訳『輿地誌略』に「把理斯(パリス)」の初出があり、福沢諭吉の『頭書大全世界国尽』(1869年)では「巴里斯」と表記した。その後「巴里」の2字形が定着し、中江兆民・大久保利通・伊藤博文ら明治の要人がパリを訪問・留学する際の記録・著作に頻出した。1867年の渡航記録や1873年の岩倉使節団記録にも用いられ、「巴里」はフランス文明・西洋近代の象徴として明治知識人の語彙に深く刻まれた。
初出情報
時期幕末・明治期
補足1826年の青地林宗訳『輿地誌略』に「把理斯(パリス)」の初出があり、福沢諭吉の『頭書大全世界国尽』(1869年)では「巴里斯」と表記した。
出典
- 『輿地誌略』本文中で言及されている文献・資料
- 『頭書大全世界国尽』本文中で言及されている文献・資料