翻訳語辞典Shaqai
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自然

nature / Natur
言語英語・ドイツ語・フランス語
翻訳時期明治中期
分野哲学
翻訳者

意味

1.

The phenomena of the physical world, including plants, animals, and landscapes.

人間の手が加わっていない物理的・生物的世界の現象や力の総体。

Walking in nature can reduce stress and anxiety.

自然の中を歩くことはストレスや不安を軽減できる。

2.

The inherent character or basic quality of a person or thing.

人や物が本来持っている性質・本性・本質。

It is in human nature to seek connection with others.

他者とのつながりを求めるのは人間の自然な性質である。

3.

A state existing without human intervention; what occurs spontaneously.

人の手が加わらずに自然にある・起こる状態。おのずからそうである状態。

The river returned to its natural course after the dam was removed.

ダムが撤去された後、川は自然な流れに戻った。

由来・語源

「自」は「みずから・おのずから」、「然」は「そのようである状態」を意味し、合わせて「おのずからそうである」となる。老子の「無為自然」や仏教の「自然法爾(じねんほうに)」に由来する古典的概念。

説明

「自然」は古来、漢語・仏教語として「おのずからそうである状態」を意味する語(読み:じねん)として存在していた。江戸末期〜明治初期に西洋語 nature / Natur の翻訳が試みられたが、当初「造化」「天地」「性」などの訳語も競合していた。明治中期以降、福沢諭吉の啓蒙著作や西周の哲学翻訳の影響を経て「自然(しぜん)」が定着し、人間の手の及ばない外界としての自然概念が普及した。柳父章はこの語が元来の日本語「自然」と nature との間に意味的なずれを内包したまま定着した点を指摘している。

初出情報

時期明治中期
初出資料明六雑誌
補足古来の漢語・仏教語「自然(じねん)」がnature/Naturの訳語として明六社の知識人を通じて再定義・普及

出典

  • 明六雑誌1874-75年。西周・森有礼ら明六社の知識人が近代的社会・文化概念を普及させた雑誌
  • 福沢諭吉 文明論之概略1875年刊行。文明・文化・社会概念を普及させた著作

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