暗示
要点
- 「暗示」はsuggestion(英語)の訳語。
- 語源・由来: 「暗」(ほのめかす・隠す)と「示」(しめす)を組み合わせた語。古来、直接言わずそれとなく伝えることを意味する既存の漢語を、心理学的暗示概念の訳語に転用した。
- 翻訳時期: 明治期(1881年頃)。
- 翻訳者: 井上哲次郎。
- 分野: 哲学。
意味
The psychological process by which a person is guided to think, feel, or act in a certain way without direct command.
直接的な命令なしに、ある考えや行動を相手に起こさせる心理的な誘導プロセス。
Hypnosis works largely through the power of suggestion.
催眠術は主に暗示の力によって機能する。
An indirect indication or hint about something.
それとなく伝えること、ほのめかし。
There was a faint suggestion of a smile on his face.
彼の顔にはわずかに微笑の暗示が浮かんでいた。
由来・語源
「暗示」の語源・由来
「暗」(ほのめかす・隠す)と「示」(しめす)を組み合わせた語。古来、直接言わずそれとなく伝えることを意味する既存の漢語を、心理学的暗示概念の訳語に転用した。
説明
英語suggestionの訳語として、明治14年(1881年)刊行の井上哲次郎らによる『哲学字彙』で採用され定着した。心理学や催眠の文脈で、相手に直接的な命令や説得を行わず、間接的に観念を植え付け、意図した反応や行動を誘発する働きを指す。それまでの漢語的意味合いを近代心理学の術語として再定義し、戦後の科学技術社会においても重要な用語となった。
初出情報
出典
- 井上哲次郎ほか 『哲学字彙』哲学・心理学系訳語の定着確認資料
よくある質問
「暗示」とは?
直接的な命令なしに、ある考えや行動を相手に起こさせる心理的な誘導プロセス。
「暗示」の語源・由来は?
「暗」(ほのめかす・隠す)と「示」(しめす)を組み合わせた語。古来、直接言わずそれとなく伝えることを意味する既存の漢語を、心理学的暗示概念の訳語に転用した。
「暗示」は何の訳語?
「暗示」はsuggestion(英語)の訳語として、明治期(1881年頃)に用いられた。
「暗示」の原語・英語は?
「暗示」の原語は suggestion(英語)。英語から意味翻訳して作られた日本語。